本日、ここに平成28年第二回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。
5月25日に開催されました平成28年第一回豊島区議会臨時会において、竹下ひろみ議長、西山陽介副議長の新体制がスタートいたしました。お二人のリーダーシップによって、活発な議会活動が行われることをご期待申し上げます。
1 熊本地震について
まず冒頭に、熊本地震について申し上げます。
今回の地震は、震度7が3日のうちに2回も発生するという未曽有の災害でありました。この地震により69人もの尊い命が失われ、今なお6千名以上の方が避難生活を送られています。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興を祈念いたします。
私も、去る5月22日、村上前議長、今浦危機管理監とともに、被災地である熊本市を訪問いたしました。現地では、かねてより親交がありました大西熊本市長とお会いし、これまでの災害対応や今後の支援について意見を交わすとともに、区の職員からの義援金と、熊本城修復支援金の目録を、直接、大西市長にお渡しし、激励してまいりました。
熊本城は、石垣などの倒壊の危険から立ち入りが厳しく制限されておりましたが、大西市長の特別な計らいにより、県と市の危機管理監、熊本城管理責任者のご案内で、その現場を視察する機会を得ました。熊本城は、まさに熊本市民の誇りであり、シンボルであり、そして心のよりどころであります。天守閣の瓦がすべて落ちるなど、その惨状を見まして、大変、心が痛みました。たとえ、修復に何十年かかろうとも、被災者・被災地に心を寄せ、今後も支援し、応援を継続してまいりたいと思っております。
私は、熊本地震で得た教訓を、ぜひ、本区の災害対策に生かしたいと考えております。
一つ目は、支援物資の「物流体制の確立」であります。平成32年春に完成予定の「造幣局跡地防災公園」を物流拠点として整備し、各救援センターが必要とする物資を、迅速に、かつ確実に送り届ける体制を、早急に確立してまいります。また、この防災公園につきましては、本区では、かつてない大規模な公園でありますので、区民の皆様の憩いの場としての公園機能はもとより、公園全体を豊島区の防災対応の中心拠点として、あらゆる機能を集中させてまいりたいと考えております。
二つ目は、「受援体制の確立」であります。被災地では、全国自治体からの応援職員、ボランティアの皆さんが、住民支援や復興に汗を流す姿を拝見いたしました。首都直下地震が発生した場合、こうした善意の方々をどう受け入れ、どう活動してもらうのか、その受入れ体制につきましても、早期に確立してまいります。
2 南池袋公園リニューアルオープン
次に、南池袋公園について申し上げます。
4月2日、「南池袋公園」が、これまでの豊島区にはない、また、都内でも例のない、大変おしゃれな公園として、リニューアルオープンいたしました。ご案内のとおり、今回の公園整備は、池袋地域の安定的な電力供給のため、変電所を建設することに伴い行われたもので、東京電力からの復旧費等によって整備費が賄われました。また、維持管理費については、東京電力や東京メトロからの占用料、レストランからの建物使用料を充てており、新庁舎と同様、整備から利用面に至るまで、財政負担の少ない施設となっております。また、地下に自転車駐車場を整備したことで、周辺の放置自転車数はピーク時の10分の1にまで激減しております。
また、公園内には、公募型プロポーザル選定方式によって、池袋で人気の「カフェレストラン・ラシーヌ」が入っています。この建物には、災害時用の飲料水や資機材が備えられており、レストランの調理施設は災害時にも活用することができます。都会の中にあって緑の芝生が大きく広がる様子がマスコミにも数多く取り上げられ、「南池袋公園は素晴らしい」「元気の出る公園だ」など、大変うれしい評価を頂戴しているところです。
今後は、地域の皆様と共に、野外の芸術・文化活動の拠点としても活用するなど、わくわくするような活用方法を検討し、池袋の新たな賑わいと憩いの拠点として、さらに多くの皆さんが訪れる名所となるよう取り組んでまいります。
3 雑司ヶ谷鬼子母神堂、国の重要文化財に指定される
次に、雑司ヶ谷鬼子母神堂の国の重要文化財指定について申し上げます。
去る5月20日、文化庁の文化審議会が「雑司ヶ谷鬼子母神堂」を国の重要文化財に指定することを文部科学大臣に答申したという、大変うれしいニュースが入りました。鬼子母神堂は、意匠的に優秀で歴史的な価値が高いと認められたもので、国際アート・カルチャー都市としての評価を一段と高めるものと考えております。
国の有形重要文化財の指定は、「豊島長崎の富士塚」、「自由学園明日館」に次ぎ、3件目の快挙であります。7月には官報に告示され、正式に国の重要文化財として指定される予定となっております。
江戸時代の初期、第4代将軍徳川家綱の時代から352年の長きにわたり、地域の人々に親しまれてきた鬼子母神堂への評価と併せ、地域の皆様の「雑司が谷の歴史と文化のまちづくり」の取り組みが評価され、今回の指定につながったと思っております。鬼子母神堂は、まさに区民の歴史的、文化的シンボルであり、豊島区民、そして日本国民にとって大きな誇りであります。
これを機に、10月8日に、この三つの国指定重要文化財を探訪する「健康ウォークラリー」を開催するなど、区をあげてお祝いしたいと計画しております。このウォークラリーにつきましては、豊島区医師会を始めとする三師会と共催により、区民に広く参加を呼びかけ、歴史と文化に親しみながら楽しんで健康が維持できるよう、教育・文化・健康が融合した盛大なイベントにしてまいります。
4 国際アート・カルチャー都市の推進
次に、国際アート・カルチャー都市の推進について申し上げます。
6月3日、区議会議場におきまして、第3回「国際アート・カルチャー都市懇話会」が開催され、元文化庁長官の近藤誠一会長より、この都市構想の実現戦略について答申をいただきました。答申をいただいた内容に即し、豊島区を国際芸術文化都市として世界に魅力を発信すべく、「文化戦略」「国際戦略」「空間戦略」を着実に実行してまいります。
また、実現戦略推進の最強の応援団、豊島区国際アート・カルチャー特命大使は、直近の数字で、1千57名の皆様から賛同を得ました。特命大使の皆様を強力な応援団として、ますます「国際アート・カルチャー都市としま」を盛り上げてまいりたいと考えております。答申はゴールではなく、戦略の実現に向けたスタートであります。「まち全体が舞台の、誰もが主役になれる劇場都市としま」を目指し、私は、全力で取り組んでまいる決意でございます。
次に、「南長崎マンガランド事業」について申し上げます。
かつての椎名町、現在の南長崎にあった「トキワ荘」は、手塚治虫さんを始めとする日本を代表するマンガ家が、若き青春の日々を過ごした伝説のアパートです。残念ながらトキワ荘は昭和57年に解体されましたが、現代アニメの原点はマンガであり、そのマンガの原点はトキワ荘でありますので、豊島区は、まさに「マンガ・アニメの聖地」であると考えております。昨年度、その復元の可能性を探るため、「トキワ荘等に関する基礎調査」を行いました。この調査により、トキワ荘に居住していたマンガ家や地域の方の証言、新たにご提供いただいた写真や資料などから、これまで詳細が不明であった建物内部の間取りまで、様々なことが分かりました。
そこで、今回、この調査結果を受け、原寸大の「トキワ荘」復元施設を「マンガ・アニメミュージアム」として開設し、マンガによるまちづくりを地域と区が一体となって進めることといたしました。建設候補地については、トキワ荘跡地にも近く、トキワ荘の記念碑があります南長崎花咲公園内を第一候補として適地の検討を進めております。公園の一部活用ということですので、それに替わる公園用地の確保も検討してまいります。
東京オリンピック・パラリンピック前の2019年度末までにオープンできるよう、私が陣頭指揮を執り、事業展開を加速化させてまいります。そして、「マンガの聖地としま」から、クールジャパンと言われるマンガ・アニメ文化を世界に発信してまいります。
次に、「東京芸術祭」の開催について申し上げます。
東京芸術祭につきましては、東京都が2020年オリンピック・パラリンピックのシンボル事業と位置付けました。すでに、前東京芸術劇場館長の福地茂雄氏を会長とする組織委員会が発足しておりまして、東京都、東京芸術劇場、アーツカウンシル東京、としま未来文化財団等が連携し、今年度の開催に向けての検討が始まっております。
東京都は、伝統芸能、舞台芸術、音楽、現代アートなど、多様な芸術文化を結集させる都市型総合芸術祭によって、東京の芸術文化の魅力を世界に発信したいと考えており、今年度は、「演劇・舞踊部門」に絞り、池袋を中心に開催することとしています。記念すべき第1回の幕開けは、9月初旬、南池袋公園において記念イベント等を開催いたします。
東京都は、今後もこの「演劇・舞踊部門」の開催の中心地を池袋に置くこととしており、本区といたしましても、国際アート・カルチャー都市構想の推進のため、東京都との積極的な連携によって、国内外へ舞台芸術のまちとしての存在感をさらに高めてまいります。
次に、「2016パラアートTOKYO」について申し上げます。
このイベントは、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた文化プログラムの一つとして、世界で初めて開催する、障害者アートの国際交流美術展であります。日本チャリティ協会が主催、本区が共催するもので、7月15日から19日まで、センタースクエアにおいて開催されます。日本、中国、韓国を中心としたアジア諸国をはじめ、世界各国から集められた作品、約130点を展示する、質の高い障害者アートの国際展となります。また、7月16日には、区議会議場におきまして、障害者アートをテーマに、シンポジウムを開催いたします。
豊島区が、「国際アート・カルチャー都市」という明確な将来のあり方を示す中で、今回の国際展は、「福祉と文化の融合」を目指す本区から、世界に向けて障害者アートを発信するもので、大変に期待しております。
5 女性にやさしいまちづくりの推進
次に、女性にやさしいまちづくりについて申し上げます。
本区では、消滅可能性都市の指摘を受け、「豊島区まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、「女性にやさしいまちづくり」をその重要な柱としております。その施策展開を強化するため、「女性にやさしいまちづくり担当課長」を公募し、日本マイクロソフト社などで事業PR、ブランディングなどを長く経験した宮田麻子さんを登用いたしました。女性にやさしいまちづくりを戦略的、多角的に推進するため、区内外への情報発信強化のためのプロモーション活動を展開し、女性のみならず働く世代にとって魅力的なまちとしてのブランドづくりを目指してまいります。
そのブランドづくりの一環として、今後、公民連携を加速し、民間の企画力や発信力などを活用しながら、様々な主体と連携を強化してまいります。現在、様々な企画を構想中でありますが、そのひとつとして、機能性が重視される防災グッズを、女性や子どもをはじめ、日ごろから身につけていられる、身につけたくなるような視点で提案することを目的に、主に女性クリエーターが所属する民間事業者と連携し、災害時に役立つハンド・メイド・グッズ・プロジェクトを立ち上げる予定であります。先に触れました南池袋公園内での住民参加の防災グッズ手作り体験ワークショップや、区内施設での展示・体験の場などを提供していくとともに、こうした志を持つ女性クリエーターの起業支援も視野に入れており、豊島区ならではの企画を展開していきたいと考えております。
次に、「女性の骨太健診」について申し上げます。
出産前からの切れ目ない支援の仕組みを築き、誰もが安心して子どもを産み育てられる地域社会の実現を目指す「鬼子母神プロジェクト」の一環として、若年世代の女性を対象とする「女性の骨太健診」を実施しております。その検査項目に、今年度から新たに「甲状腺刺激ホルモン検査」を追加いたしました。甲状腺疾患は若年女性に多くみられること、流産リスクなど妊娠との関係が深いことから検査を追加したものでございまして、都内初の、そして、全国的にも珍しい取り組みであります。女性のための健康対策を推進することで、女性が安心して住み続けられる豊島区を築いてまいります。
6 池袋駅周辺の都市再生
次に、池袋駅周辺の都市再生について申し上げます。
まず、旧庁舎跡地及び周辺まちづくりについて申し上げます。
去る5月10日の国家戦略特別区域会議において、旧庁舎跡地・公会堂エリアが、東京都の都市再生プロジェクトの一つに追加をされました。これまで都内に22のプロジェクトがあり、東京駅周辺など都心に集中しておりましたが、旧庁舎跡地エリアを含め、六つの地区が追加されました。正式な認定は今年度中の予定ですが、城北地区では初の指定となり、池袋の国際化に向けて弾みとなることは間違いありません。東京都の試算によると、これら28のプロジェクト全体で、約10兆円の経済波及効果を見込むとのことです。
旧庁舎及び公会堂は、現在、解体作業に入っておりますが、つい先日、引退の花道を飾るように、思い出多き豊島公会堂に対しまして、「日本映画批評家大賞 特別賞」をいただきました。NHKのど自慢大会など、64年間にわたり様々なイベントや映画の試写会が開かれたことが評価されたものでありまして、豊島公会堂は、まさに地域の誇りであったと、改めて感慨深く、その在りし日の姿を思い浮かべた次第であります。
旧庁舎及び公会堂跡地の、八つの劇場を含む国際的な文化による賑わい拠点づくりは、いよいよ実施設計段階まで進んでまいりました。今年の秋の新ホール売買契約の締結、年明け早々の本体工事の着工、そして2020年春のグランド・オープンをめざし、全力で取り組んでまいります。
次に、グリーン大通りの国家戦略特区について申し上げます。
グリーン大通りでは、国家戦略特区の規制緩和を活用し、まちに賑わいを呼ぶ事業を展開しております。5月19日から6月1日までの2週間、広い歩道を活用したオープンカフェ、アートフェスを実施いたしました。期間中の土曜日、日曜日には、マルシェが開催され、多くの人々でにぎわいました。秋にも開催を予定しておりますが、今後は、地元主体のエリアマネジメント協議会を中心に、継続的なまちづくり活動の一環として位置付けていきたいと考えております。
7 福祉・子育て施策の推進
次に、福祉・子育てについて申し上げます。
まず、保育園の待機児童数について申し上げます。
平成28年4月の待機児童数は105名でした。昨年の4月が209名でしたので、ほぼ半減したことになります。3年連続の減少であり、平成21年以降の8年間で最少の数字となりました。昨年度、認可保育所10園、小規模保育所6園の新設等により過去最大の922名の定員拡大を行なった成果が出たと考えております。
一方、保育需要も前年度比で460名の増加であり、こちらも過去最大の増加数となりました。今年度は、認可保育所等を可能な限り新設するとともに、認証保育所の認可施設への移行を促すほか、既存の保育施設の定員変更の検討などにより保育の受入枠を増やし、平成29年度末までに待機児童をゼロにすべく最大限の努力をしてまいります。
次に、児童相談所の特別区への移管について申し上げます。
5月27日、児童福祉法等の一部を改正する法律が成立し、特別区においても児童相談所が設置できることとなりました。国に対して、関係自治体の意見を十分に反映した支援策の実施について強く要望してまいりますとともに、東京都に対しましても、希望する区への移管が円滑に行われるよう、協議・支援を強く申し入れてまいります。
本区としましては、区民の生活に密着した基礎自治体として、子ども達の生命を守るとともに、子ども達が夢と希望を抱き、安心して健やかに成長していけるよう、児童相談所移管の早期実現に向け、設置場所の候補地検討も含め、積極的に準備を進めてまいります。
8 教育としまの推進
次に、教育について申し上げます。
まず、インターナショナル・セーフスクールの進捗状況について申し上げます。
本年2月、朋有小学校の再認証、富士見台小学校の認証式が、この本会議場で行われましたことは、いまだ記憶に新しいところです。
6月10日には、国際セーフ・コミュニティ認証センター副理事長のチョ・ジョンピル氏らを招聘して、仰高小学校、池袋本町小学校が新たにセーフスクール認証取得に向けた事前審査を受けました。意欲的な児童と保護者、地域の皆様の熱心なご協力をいただき、11月の本審査、2月の認証式に臨んでいく予定です。
さらに、来年度の認証取得に向けて、5月18日に池袋中学校、池袋第一小学校がインターナショナル・セーフスクールへの申請を行いました。本区におきましては、中学校として初となる取り組みであり、小中連携校が一体となって、安全・安心な学校モデルとなるよう、新たな期待を寄せております。
次に、学校改築について申し上げます。
まず、池袋本町地区小・中連携校は、池袋中学校の校庭整備を除き、順調に工事が進み、2学期が始まる8月29日に開校する予定です。
養生が外され、小中学校が一体となった校舎は、これまでの区立学校では想像もつかないスケールの大きさであり、桜門の前には豊島区発祥のソメイヨシノなど3種類・14本の「桜の森」の景観を現し、地域からの期待が日増しに高まっております。
本連携校の仕様の特色は、小中学生の円滑な学びの連続性を獲得するためのシェアリングが随所に見られることです。職員室や図書室を含む学習情報センター、プール、家庭科室、給食の調理場、ランチルームなどは、小・中学校が有効に共用する施設として、効率的で、協働的な教育が仕組める環境となっております。
また、ガラスを用いた開放的な造りは、校外からも子供たちの様子が感じられ、地域と学校が互いに見守り、見守られながら、小中学校と地域が「繋がる」、連携と交流の拠点となる学校となります。
なお、池袋中学校の校庭部分は、中学校校舎の解体工事におけるアスベスト対策に細心の注意を要することから、工法につきまして詳細な調査をした結果、当初の予定の29年4月より、半年程度遅れる見込みとなりました。校庭整備までの間、可能な限り、池袋中学校の生徒の皆さんにご不便をかけることのないよう対応してまいります。
また、池袋第三小学校は、3学期初めの1月から開校できるよう順調に工事が進んでおります。本校は、地域のご協力をいただき、既存の樹木の約60%を生かした「継承の森」とビオトープや、実のなる樹など「学びの森」を持ち、敷地の四方を全て緑化空間とする「エコスクール」として環境緑化を実現しました。さらに、コンパクトな校舎に加えて、狭い校庭を広く使うために2階部分を一体的なベランダとし、運動会や様々な学校行事において、観覧席や非常用通路として使用できるようにしています。併せて、防災拠点、救援センター機能を強化し、歴史ある立教大学のレンガを地域カラーとして校舎の意匠に取り入れ、住宅街の中にある学びの拠点として、周辺環境とマッチした好感度の高い校舎が次第にその姿を現しつつあります。
次に、学校トイレの緊急改善推進事業について申し上げます。
今年度から3年間の短期間に圧縮して進めることとしたトイレ改修は、児童生徒からはもちろんのこと、保護者の皆様からも大変好評を博しております。
子供たちにとっては、安心して学校生活が送れる環境がまたひとつ増えることになるものと期待しております。今年度は、小学校で6校、中学校で2校の改修を着実に行なってまいります。
9 新たな豊島区史編纂スタート
最後に、新たな区史編纂について申し上げます。
「豊島区史」につきましては、戦後昭和史を2冊にまとめました「通史編」第三巻及び第四巻を平成4年に発行したのを最後に、編纂作業を中断しております。
一方、平成以降の本区の歴史は、バブル崩壊、血の滲む思いで断行した行財政改革、そして、苦難の時代を乗り越え、新庁舎の完成を見るに至り、さらには国際アート・カルチャー都市として新たな時代の扉を開けようとしている、まさに激動の30年間であり、区民の皆さんとともに切り拓いてきた道のりにほかなりません。その歴史を、区民の皆さんの共有財産として、後世にきちんと伝えていかなければならないと考えております。
このため、本年2月、豊島区の歴史に造詣が深く、かつて区史編纂委員も務められた伊藤榮洪氏を区史編纂顧問として迎え、様々ご助言をいただいているところです。前回までの編纂作業を引き継いでいくとともに、新たな時代に合致した区史の編纂を目指してまいります。
『未来は、ずっと先にあるわけではありません。「未来」は、「今」にあるのです。将来、実現したい何かがあるなら、今、その為に行動しなければなりません』
これは、アフリカの女性として史上初のノーベル平和賞を受賞した、ケニア出身の環境保護活動家、ワンガリ・マータイ博士の言葉です。
今、豊島区では、国際アート・カルチャー都市という未来の都市像の実現に向けて、多くの事業が動き出し、その姿が見えるようになってまいりました。これまで長年かかって取り組んできたものが、花開き、大きく実を結ぶ、そんな重要な時期を迎えております。
まさに、豊島区は新時代へ向けて動き出しています。新たな未来を築いていくためには、今が大事な時期なのです。「未来」は、これまでの取り組みとともに、「今」どう行動し、どう努力していくかによって、新たに開かれていくのです。
この未来に向けて、私が自ら、区政の先頭に立ち、不屈の信念と熱意を持って豊島区をリードしてまいります。議員各位におかれましても、最大限のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
本日、ご提案申し上げる案件は、条例11件、補正予算3件、その他3件、合わせて17件であります。
各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、水島副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛賜わりますようお願い申し上げます。
以上をもちまして、私の招集あいさつといたします。