平成29年第4回区議会定例会招集あいさつ

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 本日、ここに平成29年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。


 先月は、10月22日の台風21号、29日の台風22号と、2週続けて季節外れの台風が東京付近を通過いたしました。


 特に、10月22日は、総選挙と台風が重なるという、これまでにない事態となりましたので、私は、早い段階で、万全の態勢を整えるよう指示をいたしました。今回から開票所が2か所となり、これまでより多くの職員が選挙に駆り出され、水防態勢が手薄になることが想定されたからであります。


 22日の午後4時過ぎ、大雨洪水警報発令後直ちに、危機管理監に水防対策本部の設置を命じ、22名の職員が夜を徹して警戒にあたりました。


 豊島区内では、東池袋のビルの外壁落下などがございましたが、幸いに、人的被害も家屋の浸水もなく、ほっと胸をなでおろしたところでございます。


 備えあれば憂いなしと申します。災害は起きないだろうと何もしないより、万全の備えをし、何事もないことを良しとすべきです。今後も災害に備え、万全の態勢を維持してまいります。


 さて、また、喜ばしいニュースがございました。


 先日、一般社団法人日本建設業連合会から「第58回BCS賞」受賞作品の発表があり、としまエコミューゼタウンの受賞が決定いたしました。明後日、11月17日には、帝国ホテルで表彰式典が行われます。


 BCS賞は、日本国内における優秀な建築物に与えられる、建築界最高の賞と言われ、これまでの受賞作品も、国立劇場、東京ドーム、東京都庁舎、東京スカイツリー、両国国技館、サンシャインシティなど、名だたる建築物ばかりです。


 この賞の特徴は、「優秀な建築物を作り出すためには、建築主、設計者、施工者の三者による理解と協力が必要である。」との理念のもとで、事業企画、施工のみならず、竣工後の運用・維持管理等に至るまで、建築に関するあらゆる視点から審査がなされる点にあります。


 また、この賞の目的である「わが国の良好な建築資産の創出を図り、文化の伸展と地球環境保全に寄与する」としている点は、防災庁舎、環境庁舎といった庁舎のコンセプト、さらには、国際アート・カルチャー都市を目指す本区の政策と、まさに合致しているものと思います。


 先に「日本都市計画学会賞」を受賞いたしましたが、まちづくりの観点から評価される都市計画学会賞と、建築作品の観点から評価されるBCS賞のダブル受賞は、今回の受賞作品中、エコミューゼタウンだけという快挙であります。


 これまでいただいた様々な賞に恥じぬよう、エコミューゼタウンの成果と理念を今後も内外に発信していきたいと考えています。


1 造幣局跡地への大学誘致決定


 さて、はじめに、「造幣局跡地への大学誘致決定」について申し上げます。


 本年7月から、造幣局跡地のうち約1ヘクタールを活用して、UR都市機構がプロポーザル方式により大学法人の公募を実施しておりましたが、10月20日、「東京国際大学」に決定したとの連絡をいただきました。


 11月1日に、早速、東京国際大学の 倉田信靖 総長さんとお会いしました。懇談の場で大学側からは、『池袋での開校時には、留学生は100か国以上から約2,000人、外国人講師は200人を超えるものと予想しており、その国際性を活かして、豊島区のまちづくりに協力していきたい』とのお話をいただきました。国際アート・カルチャー都市構想で街づくりを進めている本区と、まさに、方向性が一致していることが確認できました。


 今後、グローバル人材の育成、国際的な文化事業の推進、多文化共生の推進など、様々な面で、東京国際大学と連携を図ってまいりたいと考えております。


 また、これまでの区内7大学に加え、東京国際大学を加えた8つの大学の総合力で豊島区がますます発展することを確信しております。


 一方で、文部科学省より、東京の大学の新増設を抑制する方針が示されたため、この事業に与える影響について心配しておりましたが、この方針を踏まえた規制は、学部の移転を制限するものではなかったため、まずは、一安心いたしました。


 ただし、平成32年度以降の国の方針は示されておりませんので、今後も国の動向に注視したいと考えております。


2 池袋保健所の移転計画


 次に、「池袋保健所の移転計画」について申し上げます。


 先の第三回区議会定例会において、池袋保健所の移転計画について申し上げたところですが、その進捗状況について、ご報告させていただきます。


 まず、全体のスキームにつきましては、前回、申し上げたとおり、造幣局跡地の市街地南部分に仮庁舎を建設し、一旦、池袋保健所を仮移転いたします。その後、本庁舎の向かいに南池袋二丁目C地区の再開発ビルが完成した暁には、本移転として、そのエリア内に池袋保健所を移転いたします。


 第三回定例会の招集挨拶で池袋保健所の移転計画を表明した後、医師会や歯科医師会、薬剤師会などの関係団体や、地元区政連絡会など、保健所にかかわる皆様に対して、丁寧に説明を行ったところ、おおむね好意的なご意見をいただきました。


 また、仮移転先となる造幣局跡地周辺のまちづくり協議会の皆様、そして、南池袋二丁目C地区の再開発準備組合の皆様にも、区としての移転の考え方を説明し、大筋でご了解を得られたと考えております。


 仮移転先となる造幣局跡地市街地南地区への動線については、東池袋駅から車椅子による実地調査を行い、仮移転先へ来庁される保健所利用者の皆様にとって、問題がないことも確認いたしました。


 現在、健診時などにおいて、保健所の前に自転車やベビーカーがあふれている状況でありますが、仮移転先となる、UR都市機構から無償で借り受ける用地は、約5,000平方メートルの広さがあり、このうち保健所の仮庁舎として3,000平方メートル弱を利用した場合においても、駐輪場やベビーカー置場は、十分な広さを取ることができる見込みです。身障者用の駐車スペースについても確保できる見通しであり、利用される皆様にとっての利便性については、今よりも、むしろ向上するものと考えております。


 また、池袋保健所は現在築19年となりますが、空調設備を始め、給排水設備など、様々な箇所が老朽化しており、今後10年以内に約20億円の大規模改修経費がかかる見込みとなっております。いったん大規模改修をすれば、今後30年から40年使い続けなければなりませんので、費用対効果を考えますと、移転するのが最良ではないかと考えております。


 用地の借り受け先となるUR都市機構についてですが、私は、理事長と直接お会いし、借り受けについて申し出たところ、UR側としても、公共のためならば、ぜひ使ってほしいと、ご快諾をいただくことができました。


 このように、今回の移転計画にかかわる各方面の皆様から、二段階で移転するという方向性について了解を得られたこと、また庁舎へは近くなること、最寄駅からの動線、駐輪・駐車スペースなど、ハード面でも池袋保健所を移転しても問題はないと判断できたこと、現保健所では今後多額の改修経費がかかることを総合的に考慮し、この移転計画を進めていくことを決意いたしました。


 移転の時期につきましては、平成31年度末までに仮移転を行い、本移転についてはC地区の再開発の進捗にもよりますが、平成36年を予定しております。


 なお、現池袋保健所の建物と敷地については、移転経費への充当による財政負担の軽減、さらには、8つの劇場を中心とするハレザ池袋の発展と賑わいの連続性の確保等を念頭に入れ、最適な方法での資産活用を検討してまいります。


 移転計画の詳細につきましては、まだまだ詰めていかなければならないところがありますが、保健所を利用される区民の皆様をはじめとして、関係団体、地元町会、区議会の皆様に対して、今後も丁寧な説明を心掛けてまいります。


 将来において、この池袋保健所の移転が、豊島区民の皆様にとって適切な選択であったと思っていただけるよう、着実に計画を進めてまいります。


3 福祉と健康


 次に、福祉と健康施策について申し上げます。


 まず、「区内特別養護老人ホームの整備」について申し上げます。


 西巣鴨地域で特別養護老人ホーム整備を検討することについて、前回定例会の招集挨拶で申し上げましたが、その後、地元町会の役員会や区政連絡会で、現時点での区の考えについて、ご説明をしてまいりました。


 当初、西巣鴨体育場と旧朝日中学校の2か所を候補地として検討してまいりましたが、両施設の利用状況、周辺の状況、地域の方々の意向等も踏まえ、候補地を旧朝日中学校に絞り、具体的な施設の規模や工期等の検討に着手いたしました。


 地元の皆様からは、特別養護老人ホームに加え、若い世代向けの施設も整備できないかというご意見をいただきましたので、子育て支援施設を合築するなど、地元の皆様の意向を尊重した施設としてまいりたいと思います。


 旧朝日中学校は、現在、巣鴨北中学校の仮校舎として、平成31年8月まで利用しますので、施設完成は5年以上先になりますが、精力的に検討を進め、早期実現を図ってまいります。


 次に、「受動喫煙防止対策」について申し上げます。


 本区では、今年第三回区議会定例会に「子ども受動喫煙防止条例」を上程する予定でありましたが、ほぼ同じ内容の条例が、東京都議会の第三回定例会に上程、可決されました。そのため、本区としては当該条例制定を見送り、子どもの受動喫煙防止については、都条例を踏まえ、区民に働きかけをしていくことといたしました。


 一方、都条例では、すでに生まれたお子さんへの受動喫煙防止は規定されておりますが、胎児については、その対象とされておりません。


 妊婦の喫煙もしくは妊婦と同居する家族の喫煙につきましては、胎児への将来的な影響が多々指摘されており、本区といたしましては、妊婦さんのいらっしゃるご家庭における禁煙促進を、これまで以上に働きかけてまいりたいと考えております。


 そこで、妊婦または妊婦と同居する喫煙者に対する禁煙対策を一層促進すべく、新年度より、妊婦禁煙治療助成事業を始めたいと考えております。


 今後、新年度予算の作成において詳細を検討し、区議会へも報告してまいります。


4 トキワ荘復元施設


 次に、「トキワ荘復元施設整備の進捗状況」について申し上げます。


 「(仮称)マンガの聖地としまミュージアム」につきましては、本年5月に基本計画を策定いたしました。現在、新規に購入する隣接地との一体的な活用も含め、平成32年3月のオープンに向けて、里中満智子先生を座長とする検討会議において、地域の皆様にもご参画をいただきながら、建物の具体的な設計や展示について精力的に検討を進めているところであります。


 日本のマンガ文化を象徴する施設として、多くの皆様に訪れていただく施設とするためには、「トキワ荘」を、そして、日本のマンガ文化を愛してくださる皆様のご参画をいただきながら、事業を進めることが何よりも重要であります。


 そこで、ミュージアム整備費の一部について、広く全国の個人・法人にご寄附を呼びかけ、トキワ荘復元施設への思いを盛り上げていきたいと考えております。


 一定金額以上のご寄附をいただいた皆様には、感謝の意を表するため、トキワ荘復元施設内あるいは南長崎花咲公園内に寄附者の銘板を設置するなど、現在、庁内検討会で寄附募集方法の検討を進めており、できるだけ早い時期に、まずは、郵便振替など一般的な方法による寄附募集を開始したいと考えております。当然、地方自治体に対する寄附ですので、ふるさと納税扱いとなり、税法上の寄附控除が適用になります。


 さらには、新年度以降、インターネットによる寄附募集も順次開始し、より幅広い層、多くの皆様から、トキワ荘への熱い思いを集められるような工夫を取り入れていきたいと考えております。


 ただトキワ荘を復元するだけでは意味がありません。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、「マンガの聖地としま」を世界に発信するには、トキワ荘周辺全体のまちづくりこそが大切であります。


 トキワ荘を中心とするまちづくりを地域の皆様と一体となって進めるため、どうすればトキワ荘周辺がマンガ文化を核とした賑わいあるまちづくりができるかについて、年内にも、トキワ荘通りの空き店舗所有者に対するヒアリング調査などの基礎調査を開始いたします。


 トキワ荘復元施設の完成まで、あと2年半を切っておりますので、この基礎調査をもとに、できるだけ早い時期に、トキワ荘周辺の賑わいを創出するまちづくり方針を策定するとともに、具体的にトキワ荘通りへの店舗誘致活動などに着手してまいりたいと考えております。


5 安全・安心なまちづくり


 次に、「繁華街クリーン作戦」について申し上げます。


 本区では、これまでも、地域住民の皆様や警察署と連携し、定期的に区内の繁華街を中心にパトロールを実施し、客引き防止、ポイ捨て禁止、違法看板等への是正指導をしてまいりました。


 そのひとつである、路上に置かれている看板につきましては、一時的には指導に従いますが、すぐに元の状態に看板を戻してしまいますので、街の美観は一向に改善されない状況が続いております。


 そこで、本年10月1日に「豊島区路上障害物による通行の障害の防止に関する条例」を制定したのを機に、危機管理監を本部長、環境清掃部長並びに土木担当部長を副本部長として、治安対策担当課、環境保全課、土木管理課の3課が連携し、「客引き禁止、ポイ捨て禁止、路上看板禁止」の三つの条例、三本の矢で、繁華街クリーン作戦を展開することといたしました。


 路上看板禁止条例施行のPR活動として、去る9月19日、26日、10月5日に、池袋駅の東西で、地域住民、警察署、行政が連携してパトロールとチラシ配布等を行いました。私も、もちろん陣頭指揮をいたしましたが、延べ300人以上の参加者があり、新聞にも掲載されました。


 また、10月24日には、大塚駅でも地域の皆さんとPR活動を展開いたしました。100名以上の多くの参加者があり、安全・安心な街づくりの大切さを訴えました。


 2019年の東アジア文化都市事業では、世界から大勢の来街者をお迎えすることになります。違法看板や商品台が、歩道や点字ブロックに置かれている危険な状況は、看過できません。私は、本区を訪れる国内外の方々に、決して、不快な思いを抱かせるようなことはしたくありません。誰もが安全で安心できる美しい街を実感していただき、豊島区に好印象を持って、お帰りいただきたいと思います。


 2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。本区が世界に誇れる文化・環境の先進都市として東京の顔になるためにも、議会と一体となって、区民の皆様とともに、オールとしまで、安全で安心な美しい街を創り上げてまいる決意であります。


 次に、「帰宅困難者対策」について申し上げます。


 豊島区は、早くから、大規模災害発生時の帰宅困難者の発生に危機感を持ち、平成21年度から、毎年、池袋駅周辺での帰宅困難者対策訓練を実施してきました。


 今年度も、明日、11月16日に、9回目となる帰宅困難者対策訓練を実施いたします。


 今回の訓練では、滞留者を一時滞在施設に誘導する手順の確認のほか、トラック5台で備蓄物資の輸送、集積を行い、参加者に対し、実際に備蓄物資を配分し、配分要領などの検証を行います。


 また、通訳ボランティアによる外国人の誘導訓練や、急病人の救急搬送訓練も行い、大規模で、実践的な訓練を予定しています。


 これらの訓練を、池袋駅周辺事業者の皆さんと共に繰り返し行うことで、災害時の対応の確認と、対策の強化に繋げてまいります。


 次に、「セーフコミュニティとセーフスクール」について申し上げます。


 まず、「セーフコミュニティ」について、申し上げます。


 WHOが推奨するセーフコミュニティの再認証に向けた現地審査が、去る11月6日から8日にかけて、2名の海外審査員を迎え、行われました。


 審査では、9つの対策委員会とセーフコミュニティの地域拠点である区民ひろばの活動を紹介するとともに、環境浄化パトロール活動も見ていただきました。


 地域の皆さんが主体的に地域の課題に向き合い、互いに協力し合いながら、地域の安全・安心を高めている姿も見ていただくことができ、認証取得から5年間、区民の皆さんとともに「オールとしま」で取り組んできた成果は、審査員講評で高く評価されました。正式な審査結果は後日となりますが、必ずや再認証をいただけるものと確信をしております。


 次に、「インターナショナルセーフスクール」の取組状況について申し上げます。


 今年、池袋中学校、池袋第一小学校が、6月23日に行われた事前審査を経て、いよいよ12月14日に本審査を迎えます。


 これまでのインターナショナルセーフスクールは、小学校区域単位で、区民ひろばを中心に、地域の支えで、安全・安心の学校づくりに取り組んでまいりました。


 このたびの池袋中学校と池袋第一小学校が認証を受けますと、すでに認証を受けている池袋本町小学校とともに、区内で初めて、中学校ブロックという広域の地域コミュニティでのインターナショナルセーフスクールが実現します。


 これまでの、児童・生徒の見守りなど、地域による安全・安心な学校づくりだけでなく、子供たち自身が、池袋本町地区小中一体型校舎を防災拠点とする地域防災活動や地域ボランティア活動などに参画していくことで、地域全体のセーフコミュニティ活動に繋がっていくことを期待するものです。


 2019年には東アジア文化都市事業が豊島区で、また、2020年にはオリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。国内外から訪れる多くの方々に、安全・安心なまち「豊島区」を実感していただけるよう、セーフコミュニティ、インターナショナルセーフスクールの取組みをさらに継続、充実してまいりたいと考えております。


6 教育都市としまの推進


 次に、教育について申し上げます。


 今年は小・中学校の周年式典が6校で開かれます。千早小学校80周年、西巣鴨中学校70周年式典は既に開催されましたが、12月にかけて、巣鴨小学校70周年、千川中学校70周年、駒込小学校100周年、池袋中学校70周年と続きます。


 いずれの学校も、創立以来、幾多の歴史を潜り抜けて多くの地域の方々に愛され、支えられ、地域と共に歩んでまいりました。周年という大きな節目に、地域の皆様と一緒にお祝いできますことを大変うれしく思います。


 今後も、豊島区の子供たちが、安心して健やかに学校生活を送れるよう、教育委員会と連携して、さらなる教育環境の向上に努めてまいります。


 次に、西池袋中学校で開かれた「全日本中学校 道徳教育研究大会 東京大会」について申し上げます。


 次期学習指導要領で、道徳は「特別の教科」として位置付けられ、小学校では来年度から、中学校は平成31年度から、全面実施となります。児童・生徒が自ら考え、議論し、自らの生き方・あり方に向かい合う誠実な国際人として成長することを心から期待いたします。


 こうした中、11月9日より「全日本中学校 道徳教育研究大会 東京大会」が西池袋中学校で開催されました。


 「共によりよく生きる力を育む道徳教育」「人間を見つめ、深く考える道徳科の創造と実践」をテーマに、全国各地から中学校の教員など600名が西池袋中学校に集まりました。


 これまで実践してきた西池袋中学校の研究成果が、公開授業で発表され、これからも全国の道徳教育を先導する教育都市としまの気概に期待しています。


 次に、「区立小・中学生の活躍」について申し上げます。


 スポーツ、芸術・文化の秋が深まる中、本区の小中学生の活躍が続々と報告されております。


 「全日本バトン選手権大会」において、個人部門で、池袋小学校第5学年の児童が高学年の部ベイシック・ストラットで第2位、ソロ・バトン・グレード5部門で最優秀賞を獲得しました。また、団体部門で、同じく池袋小学校児童5名のチームが、バトン小学生高学年の部において、第2位の成績を収めました。


 さらに、「文部科学大臣杯 第13回小学校将棋団体戦 東京都大会」において、目白小学校第6学年と第3学年の児童が3名でチームを組み、小学校の部で優勝しました。


 また、西池袋中学の女子生徒が、「東京都体操競技・新体操選手権大会」で、種目別平均台、段違い平行棒で第2位を収めました。


 本区の小・中学生が、スポーツや文化活動において素晴らしい成績を収めていることは大変頼もしく思います。まちが元気になり、子供たちも大活躍し、今や豊島区は、明るく活気のある人気のまちになりつつあります。これからも3年後の東京オリンピック・パラリンピックを目指して益々の活躍を期待しています。


7 この1年を振り返って


 早いもので、今定例会が今年の納めの区議会となります。改めて、今年1年を振り返り、終わりに一言、所感を申し上げたいと思います。


 昨年は、まさに挑戦に次ぐ挑戦の1年であったと申し上げましたが、今年を振り返りますと、その挑戦が大きく実を結び始めた1年であったと感じております。


 1月から、本区では19時一斉消灯を始めました。電通の過労死事件などが発端となり、今、日本全体がワーク・ライフ・バランスを模索しておりますが、本区では23区に先駆け、10月から時差出勤を本格的に始めるなど、新たなワークスタイルのモデルとなる取組みを進めております。この取組みが、東京都の「時差ビズ推進賞」を受賞いたしました。先日11月2日、小池百合子東京都知事より表彰状をいただきましたが、自治体の受賞は、本区のみであります。


 3月、旧庁舎エリアの愛称が「ハレザ池袋」に決定いたしました。日常とは違うハレの場として、旧庁舎エリアが大きく生まれ変わります。すでに新ホールの鉄骨が大きく空に伸び、その姿を現しつつあります。2019年の完成後は、大きな賑わいの拠点として、国内外から多くの人々を迎え入れることでありましょう。


 4月、1年前倒しで「待機児童ゼロ」を達成いたしました。女性にやさしいまちづくりを進める本区にとって、住んでみたい、住み続けたいまちづくりのために、最重要課題として全力で取り組んできたことが、大きく実を結びました。今後もゼロを維持できるよう、あらゆる方策を取ってまいりたいと思います。


 そして8月、「東アジア文化都市」の国内候補都市に本区が決定をいたしました。まさに、このことが今年1番の大きな果実であったと言っても過言ではありません。そうそうたる日本を代表する政令指定都市ばかりが実施している大事業に、30万人に満たない本区が挑戦するのは無謀だと言われました。しかし、大きな競技場もない本区が、2020年東京オリンピック・パラリンピックの文化的レガシーとして、永く区民の心にのこるものはこれしかないと、私は、全力で文化庁のプレゼンテーションに臨みました。豊島区が2019年、東アジア文化都市事業において、多彩な文化・芸術活動、国際交流事業を展開することで、本区の文化が大きく花開くものと確信をしております。


おわりに


 『説得力とは、口先だけの技術ではなく、強い信念と熱意が根底にあってはじめて生まれてくるものである。』


 これは、パナソニックグループの創業者、松下幸之助氏の言葉であります。


 2019年の東アジア文化都市開催に向けて、私は7月に文化庁で、強い信念と熱意をもってプレゼンテーションを行いました。


 プレゼンでは、私が、区長就任以来、文化によるまちづくりを進め、文化によって財政を建て直し、そして、今まさに豊島区を世界に向けて発信していくまでになったこと、2019年の東アジア文化都市開催は、私たちが進めてきた文化によるまちづくりの集大成であり、悲願であったこと、そして、国際アート・カルチャー都市構想を掲げ、1,300人を超える国際アート・カルチャー特命大使の応援があることなどをご説明いたしました。


 東アジア文化都市開催にかける私の信念と熱意を、審査員の皆様にご理解をいただくことができ、見事、東アジア文化都市の国内候補都市決定を勝ち取れたわけであります。


 先般行われた『東アジア文化都市 区民報告会』では、1,000人をはるかに超える区民の皆様にご来場をいただき、その中でこのプレゼンを再現させていただきましたが、参加された皆様の東アジア文化都市への熱いご期待を肌で感じることができました。


 私は、この区民の皆様の熱い期待に応えるために、また豊島区の輝かしい未来のために、全身全霊を捧げ、必ずや東アジア文化都市事業を成功に導いてまいります。


 政治は争いをつくります。経済は格差をつくります。しかし、文化は平和をつくります。未来をつくります。


 議員各位におかれましては、引き続き最大限のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


 本日、ご提案申し上げる案件は、条例10件、その他4件、合わせて14件であります。


 各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、水島副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛賜わりますようお願い申し上げます。


 以上をもちまして、私の招集あいさつといたします。