令和元年第2回区議会定例会招集あいさつ・所信表明

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 本日、ここに令和元年第二回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。


1.はじめに

 平成31年4月19日午後0時25分頃、日出町第二公園前交差点において、区民の方2名がお亡くなりになり、10名の方が重軽傷を負うという、大変痛ましい事故が発生しました。

 現在、警察の捜査は続いておりますが、何よりもまず、お亡くなりになられたお二人のご冥福をお祈りとたしますとともに、事故に遭われた方々とそのご家族に心からお見舞い申し上げます。

 事故が発生した19日は、選挙終盤の時期でありましたが、私は選挙運動を即座に中断して自らを本部長とする対策本部を設置し、児童の下校時の事故現場の迂回、区内全保育園に対する散歩経路の緊急点検など対策を講じました。また、高齢ドライバーの運転免許証の自主返納について、町会と連携した横断幕でのプロモーション活動や、安全安心メールでの呼びかけ、区民ひろばへのポスター掲示、広報としまでの周知など、あらゆる手段を通じて促してまいりました。

 本区の事故の後も、大津市、川崎市、西宮市、町田市において、子どもが巻き込まれるショッキングな事件、事故が続いておりますが、これらも踏まえた安全対策を早期に確立し、このような事故が区内で二度と起きないよう、関係機関と連携しながら、最善を尽くしてまいります。


 さて、今定例会は、私にとりまして区長6期目を迎えた定例会であり、議員の皆様におかれましても、4月に行われた統一地方選挙を終え、前職26名に10名の新たな議員の皆様が加わり、定数通りの36名が勢揃いして、新しく議員活動がスタートする定例会であります。


 去る5月23日に開催されました令和元年第一回臨時会におきまして、磯 一昭議長、島村 高彦副議長の新体制が誕生いたしました。正副議長、議員の皆様とともに、豊島区政の更なる発展のため、努力してまいる決意を新たにしているところであります。


 それでは、区民の皆さんの信託に応え、6期目における私の施策方針の一端を申し上げます。

 第1の柱は「文化を基軸としたまちづくり」、第2の柱は「子どもと女性にやさしいまちづくり」、第3の柱は「高齢社会に向けた総合的な取組み」、第4の柱は「地方との共生」、そして「今後の行財政運営」についてであります。


2.文化を基軸としたまちづくり

(1)東アジア文化都市2019豊島まちづくり記念事業

 初めに、第1の柱である、「文化を基軸としたまちづくり」のうち、「東アジア文化都市2019豊島まちづくり記念事業」について、順次申し上げます。

① Hareza池袋 豊島区立芸術文化劇場の竣工内覧会

 まず、「Hareza池袋 豊島区立芸術文化劇場の竣工内覧会」について申し上げます。

 5月24日、区立芸術文化劇場の竣工内覧会が3部構成で行われ、延べ6,033名もの方々にお越しいただきました。報道機関も34社集まり、いわゆる6大紙の全てで報道されるなど、区主催のイベントとしては過去最大の規模で開催され、大盛況の中で終えることができました。

 Hareza池袋は、この内覧会を皮切りに、9月中旬にはアニメの聖地と位置付ける中池袋公園が開園し、11月にはとしま区民センターがオープンします。劇場では、11月から、宝塚歌劇や歌舞伎、ブロードウェイ・ミュージカルなど、多様なジャンルによる柿落としシリーズが始まります。

 また、同時一体的に、ポニーキャニオンが運営する未来型ライブ劇場Harevutaiと、ドワンゴが運営するスタジオが誕生します。

 世界的なエンターテインメントを楽しめるメインカルチャーからマンガ・アニメに代表されるサブカルチャーまで、異なるコンテンツが融合した、世界に類を見ない拠点となるHareza池袋に、どうぞご期待ください。


② 真っ赤な電気バス

 次に、「真っ赤な電気バス」について申し上げます。

 池袋副都心を走る真っ赤な電気バスは、昨年より製造に着手、第1号車が完成し、5月24日の芸術文化劇場の竣工内覧会には、劇場前に展示させていただき、多くの方々にご覧いただきました。

 私は、5月10日に製造元である桐生市の工場にお伺いし、敷地内ではありますが、皆様方より一足先に試乗してまいりました。この電気バスのデザインは水戸岡 鋭治先生が手掛け、外装のみならず特に内装が特徴的で、初めてこの車両を見たとき、まるでおとぎの国からの贈り物のようなデザインに非常に感激しました。

 本年11月には4つの公園を中心に運行を開始する、この印象的な「池袋レッド」の電気バスは、池袋のまちの魅力と価値をさらに高めていくものと確信しております。


③ 造幣局地区のまちづくり

 次に、「造幣局地区のまちづくり」について申し上げます。

 長い時間を掛けて準備を進めてきた「防災公園」ですが、5月より工事に着手しました。災害用の備蓄倉庫やヘリポートの機能、さらにはサンシャインとつながる賑わいの拠点と、この公園は将来の豊島区にとって大変重要なものになると考えています。今後、公園の愛称名を公募する予定でございますので、長く皆様に愛される、すてきなアイデアが多数集まるよう、ご協力の程、よろしくお願いいたします。

 また、東京国際大学は、来年の10月にUR都市機構から土地の引き渡しを受け、令和5(2023)年9月開校を予定しています。説明会のご要望もいただいておりましたので、7月9日に行う区主催の造幣局地区のまちづくりの説明会の中で、東京国際大学から、移転計画の概要についてお話しいただくことを予定しています。


 そして、UR都市機構から5,000m2の土地を無償で借り受け、この内、4,000m2を保健所に、1,000m2を「キッズ・パーク」として整備します。

 このキッズ・パークは、保育園児や保健所に来た幼児、そして防災公園を利用する児童などを対象に、安全で安心に利用でき、ミニトレインを走らせるなど子ども達の遊びの広場として計画しています。また、キッズ・パーク前にイケバスの停留所が設置されることもあって、水戸岡 鋭治先生にもご協力いただき、計画を進めており、防災公園と同時期の来年の6月に開園する予定です。

 開園後には、区内保育園・幼稚園の園児の皆さんを「池袋レッド」の電気バスで送り迎えし、楽しんでもらえる計画も考えております。

 なお、池袋保健所は、令和元年10月12日から14日の連休を利用して移転し、10月15日から新庁舎において業務を開始いたします。また、池袋保健所の仮庁舎は、6月末までには、すべての鉄骨が組みあがる予定であり、順調に工事は進んでおります。


④ 池袋西口公園の工事の進捗状況

 次に、「池袋西口公園の工事の進捗状況」について申し上げます。

 昨年末から公園を全面閉鎖して工事を行っております。閉鎖した仮囲いには、「まちづくり記念事業」や「池袋PRアニメ」などのラッピングを施して、多くの方々に区の取組みをご紹介させていただいています。

 工事については、舞台棟、カフェ棟、またグローバルリングといった施設の基礎工事が予定通り進んでおります。私も実際に現場に行き確認し、改めて、劇場公園に対する期待が高まっているところです。

 間もなく各施設が立ち上がってきますので、公園の将来の姿も見えてくると思います。11月のオープンに向けて、着実に取り組んでまいります。


⑤ (仮称)マンガの聖地としまミュージアム

 次に、「(仮称)マンガの聖地としまミュージアム」について申し上げます。

 トキワ荘関連施設整備寄附金は、先月、遂に目標の3億円を超え、6月14日までに、821件、3億3,419万814円のご支援をいただいております。

 去る4月25日にはご支援をいただいた皆様に感謝の意を表すため、231人の皆様にお集まりいただき、感謝状贈呈式を行いました。

 今後も本区の取り組みをしっかり発信し、「寄附」という行政への参画の形が、寄附文化として定着するよう、精力的に取り組んでまいります。

 そして、南長崎花咲公園において、建築工事が進められておりますが、この度、ミュージアムの建築により縮小する公園スペースの代替となる用地を確保することができました。今後は、地域の皆様とこの用地の活用方法を検討していく予定です。


(2)東アジア文化都市

 次に、「東アジア文化都市」について申し上げます。

 この本会議場が最終審査会場となりました国際公募展、3回目となります「アートオリンピア2019」が開催され、世界100か国のアーティスト、約6,000点の応募作品の中から一般部門、学生部門のグランプリが決定されました。6月8日から16日まではとしまセンタースクエアで約100作品を展示し、東アジア文化都市の開催都市である中国・西安市、韓国・仁川広域市の作家作品も同時展示されました。

 区民ひろばでは、歌や映画、体操・ダンス、食文化など幅広いジャンルで中国・韓国の視点を取り入れた多種多様なイベントを実施しており、多くの区民の皆さんに喜んでいただいています。

 さらに週末ともなりますと、先日開催されました大塚音楽祭など区民の皆さんが企画する東アジア文化都市2019豊島のパートナーシップ事業や、すがも商人まつりなどの広報連携によるフレンドシップ事業が区内各地で開催されており、地域を挙げて東アジア文化都市事業に取り組んでいただいております。

 9月初旬には、町会連合会、商店街連合会、観光協会など、区内の主要団体に豊島区が加わる、「オールとしま」での、中国・西安市、韓国・仁川広域市への視察、交流を予定しています。6月14日に各都市の開幕式典の様子をご報告するとともに、この訪問団についてご説明する朝食会を開催したところ、大勢の区議会議員の皆様にもご参加いただき、その結果、350名を超える多くの方々にお聴きいただくことができました。

 東アジア文化都市の本来的な目標である、経済・観光の進展につながるレガシーの構築には、地域全体で取り組んでいく必要がございます。官民一体となった視察・交流は、東アジア文化都市を開催した過去の都市でも例がなく、新しい相互交流のモデルを本区から発信できると思います。


 このように「文化を基軸としたまちづくり」を進めてまいりましたやさき、先般、「一般社団法人 芸術と創造」に委託して実施した、東アジア文化都市の開催に向けたインターネット・アンケートでは、区民の皆さんの56%が、本区が「文化芸術に力を入れている」ことを評価しているとの結果が出ました。この割合の23区の平均が27%であることを鑑みると、これまで戦略的に推進してきた本区の文化施策は、区民の皆さんから高い評価を頂いていることがわかります。

 今後も、「まちづくり記念事業」の22のプロジェクトを中心に据えたまちづくりと、ハードの素地に見合う良質な文化芸術イベントの充実によって、「もっとワクワク」するような、そして「ずっとドキドキ」するような、国際アート・カルチャー都市の実現に向けた挑戦を、区民の皆さんとともに続けてまいります。

 そして、ここから生み出される圧倒的な賑わいによって、「訪れたい人」や「住み続けたい人」を増やし、地域経済を発展させることで、ダイナミックに、そしてエキサイティングに、まち全体を変えてまいります。


 また、東アジア文化都市を開催して実感したことは、今やマンガそしてアニメは、世界の共通文化であり、この聖地と言える豊島区、そして池袋に対して、海外から高い関心と強い興味が寄せられていることです。

 これから、11月24日のクロージングに先立つ1か月の間に、3つの国際的なマンガ・アニメイベントが池袋で集中して開催され、東アジア文化都市は最大の盛り上がりを見せていきます。1つ目がアジアを代表するアニメーション・映像・音楽の国際見本市「TIFFCOM」、2つ目が日本最大級のコスプレイベント「池袋ハロウィン コスプレフェス」、そして3つ目がアニメやゲームなどの女性向けコンテンツが一堂に会する「アニメイト ガールズ フェスティバル」です。 

 まさにこの時期が、マンガ・アニメ文化の発信地としての池袋をアジア・世界に発信する、二度とないチャンスです。

 時機を逸することなく、マンガ・アニメをレガシーに位置づける施策を重層的に展開することによって、池袋を「アニメの聖地」として世界中に認知させ、池袋の評価を高め、ブランドを確立していくことが、区民の皆さんの地域への愛着を強め、地域の経済を活性化し、そして将来に向けた賑わいを創出することにつながっていくのであります。

 このような考えの下、11月1日のHareza池袋のオープンに合わせて、豊島区全体の協力による、マンガ・アニメのまちとしてのブランドを確立するための一大記念イベントを開催するとともに、将来をかたちづくるマンガ・アニメを活用したまちづくりを戦略的に策定いたします。

 第1回実行委員会は6月27日に予定しており、国・東京都、区内の商工に関わる団体、池袋を拠点とする企業、マンガ・アニメ関係やコンテンツ関係の事業者が一堂に会して、マンガとアニメの聖地に相応しいハレの舞台をともに創り上げてまいります。


(3)各地域のまちづくり

 また、「まちづくり記念事業」と並行して、各地域のまちづくりも着々と進んでおります。

① 大塚駅北口の開発

 まず、「大塚駅北口の開発」について申し上げます。

 大塚駅北口の開発は実施設計も終わり、工事の段階となります。昨年7月の基本計画査定後、多くの皆様のご意見を伺い、修正してまいりました計画が、いよいよ形となります。

 今までの緑をできる限り残しながら、夜の暗いイメージを一新する「光のファンタジー」の演出も、大リングや3つのモニュメントとともに、東京2020大会までに誕生します。大塚駅北口の新たなシンボルに、大いに期待していただきたいと思います。


② 長崎地区のまちづくり

 次に、「長崎地区のまちづくり」について申し上げます。

 現在、区は、東京都の都市計画道路補助172号線整備に併せた沿道まちづくりを展開しております。木密地域である長崎地区の防災性を向上させ、懸念されている首都直下地震に備えていくためには、補助172号線のほかに、広場空間の確保や共同化の検討などのまちづくりを地域一体となって進めていく必要があります。

 こうした状況において、今般、区は、木密地域改善の豊富な経験と体制を持つUR都市機構との間で協定を締結いたしました。長崎地区の防災性の向上をより強力に推進してまいります。これにより、防災生活道路、公園、残地等の用地取得を効果的に行うことが可能になります。さらに、これまでの取り組みと合わせて、新たな共同化の掘り起こし等の支援を行い地域の皆様の声に応えられるよう最大限努力してまいります。


(4)東京2020大会

 次に、「東京2020大会」について申し上げます。

 先月29日に、第25回国際交流会議「アジアの未来」に出席のため、来日されたバングラデシュのシェイク・ハシナ首相を歓迎する晩餐会が総理大臣公邸で開かれました。私は、東京2020大会でのホストタウンの首長として、この晩餐会の主催者である、内閣総理大臣からお招きいただきました。当日は、政治や経済、医療などの各分野から約60名が出席し、私も大いに交流を深めてまいりました。

 また、6月1日には、東京2020大会の聖火リレーを実施する区市町村が公表されたところでありますが、豊島区は、令和2年7月19日の聖火リレーのスタート地点に選ばれました。その日のトップバッターとなる自治体には、地域の特色を活かした「聖火リレーの出発式」を開催することができます。

 コースの詳細は、今後、組織委員会での検討となりますが、Hareza池袋や

池袋西口公園のグローバルリングなどが整備された、新時代の豊島区の街並みを聖火が走り抜ける、夢のある、胸躍る景色が見られるのです。

 区内には競技会場こそありませんが、ホストタウンとして、東京2020大会の機運を醸成しながら、あらゆる機会を捉えて「国際文化都市としま」を世界に発信してまいります。


(5)地域活性化に向けた挑戦

① 商店街の活性化(キャッシュレス、プレミアム付商品券)

 次に、「地域活性化に向けた挑戦」のうち、まず「商店街の活性化」について申し上げます。

 インバウンド需要の増加や本年10月の消費税の増税などを踏まえ、本区においても新たな試みを始めています。

 一つ目は、商店街を単位としたキャッシュレス決済の促進です。現在、巣鴨地域と大塚地域の4つの商店街によるモデル事業の準備を進めています。時代のニーズをしっかり受け止めながら、キャッシュレス決済を、個別の店舗ではなく、商店街という「面」で行うことにより、来街者の利便性を高め、新たな顧客の獲得を支援してまいります。

 二つ目は、プレミアム付商品券事業です。低所得者・子育て世帯を対象として、10月よりプレミアム付商品券の販売を開始いたします。

 対象者や取扱店舗への丁寧で分かりやすい説明を行い、区内の消費喚起に繋げるとともに、消費増税の消費に与える影響を緩和してまいります。特に、商店街連合会に加入する店舗にも取扱店として参加いただくことにより、地域産業の活性化も図ってまいります。


② 池袋駅周辺の美化

 次に、「池袋駅周辺の美化」について申し上げます。

 池袋駅周辺においては、今後、Hareza池袋のオープン、西口公園リニューアルなど、これまで以上に多くの方々が訪れることになります。

 ゴミのない美しいまちを実感していただくことは、気持ちよく観光を楽しんで頂く基本であり、国際アート・カルチャー都市を目指す本区として、大変重要な課題と認識しております。

 そこで、10月から、池袋駅周辺の道路清掃の範囲を拡大し、現在、清掃から除かれていた道路もきれいにいたします。また、夕方から夜間の路上喫煙者が多いという現状があることから、路上喫煙・ポイ捨て防止パトロールを2時間延長し、夜9時まで実施いたします。

 引き続き、喫煙ルールの周知啓発に力を入れ、喫煙マナーの向上に努めてまいります。


3.子どもと女性にやさしいまち

 次に、第2の柱である、「子どもと女性にやさしいまち」について申し上げます。

 平成26年度に消滅可能性を指摘された本区でありますが、区民の皆さんと共に先進的な取り組みを進めてきた結果、昨年7月5日には、40年ぶりに人口が29万人を突破いたしました。「消滅可能性都市」の指摘の原因となった、20歳から39歳までの女性の人口についても着実に増加し、今、子育て世代、女性から選ばれるまちに変化しているのであります。


(1)本年4月の待機児童数

 まず、「本年4月の待機児童数」について申し上げます。

 平成29年、平成30年と2年連続の待機児童ゼロを更新してきました。本年4月も新規に私立認可保育園7園を誘致し、約400名の定員枠を増やして対策を講じましたが、残念ながら1歳児16名の待機児童が生じてしまいました。

 これは、国の待機児童の基準が、居宅訪問型保育事業いわゆるベビーシッターのご案内が保育園等の情報提供にあたらないように変更されたことによるものであり、従前の基準では3年連続で待機児童ゼロとなるところでありました。

 大変残念な結果となってしまいましたが、今後も積極的に待機児童対策を進めます。


(2)幼児教育・保育の無償化

 次に、「幼児教育・保育の無償化」について申し上げます。

 本年10月から、幼児教育・保育の無償化が始まります。これは、平成27年の子ども子育て支援新制度の導入にはじまる、就学前の教育・保育の充実に向けた一連の取り組みをさらに進めるものであり、生涯にわたる人格形成の基礎となる、幼児期の教育・保育の機会を経済的に保障し、子育て世代の負担軽減を目指すものです。

 今般の無償化にあたり、国は保育所の給食食材料費を保護者負担としましたが、私は、子育て支援の観点から保護者が「無償化」を実感できるよう、区が負担をしていくことを決断しました。準備が整い次第、条例案を上程いたします。


(3)保育の質の維持向上に向けた取り組み

 次に、「保育の質の維持向上に向けた取り組み」について申し上げます。

 子ども・子育て支援法改正にあたり、衆参両院が出した附帯決議には「子ども子育て支援の量的拡充と質の向上」がうたわれています。豊島区は、昨年度「豊島区保育の質ガイドライン」を策定し、このほど区内の公私立保育園の常勤保育士すべてに配付しました。今後はガイドラインをテキストとして園内OJTや研修で活用し、区全体の保育の質の底上げを図ります。

 待機児童対策として私立保育園が増えていく中、区立保育園は、地域の核となる幼児教育施設として、これまで以上に区内の保育の質の維持向上を牽引すべく、長年培ってきたノウハウやスキルを、豊島区の保育の共通の財産として提供するとともに、公私立問わず互いに学びあう体制を整えてまいります。

 ちなみに今、豊島区の保育園は、公立が21、私立が59、その他が31で111保育園がございます。


(4)児童虐待防止対策の強化・児童相談所設置体制の推進

 次に、「児童虐待防止対策の強化・児童相談所設置体制の推進」について申し上げます。

 児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は、全国的にも増加の一途をたどり、大きな社会問題となっております。本区におきましても、保護を要する児童等に関する新規の相談通告件数が年々伸び、昨年度は500件を超えました。

 こうした状況に対応するため、地域ネットワークの強化、アウトリーチによる訪問相談事業の積極的な展開など、児童虐待防止対策の一層の強化に向けた取り組みを行っております。

 また、児童虐待等の相談対応を迅速かつ的確に行ううえで、基礎自治体ならではの強固な相談体制を構築することが求められております。本区は、「豊島区の子どもは豊島区が守る」という強い決意のもと、子どもたちが夢と希望を抱き、安心して健やかに成長していけるよう、地域の皆様のご理解とご協力を賜りながら、令和4年度中の児童相談所設置に向けて準備を進めてまいります。


(5)「わたしらしく、暮らせるまち。」の推進

 次に、「わたしらしく、暮らせるまち。」の推進について申し上げます。

 「FFパートナーシップ協定」では、事業者それぞれの強みを活かしたノウハウやリソースを活用するため、この3年間で延べ10団体と協定締結し、93の企画や事業を行い、6,600人を超える方々にご参加いただきました。

 また、誰もが使いやすい公園としていくため、清潔で明るいトイレをめざし、3ヶ年で取り組んでまいりました85か所の公園・児童遊園のトイレ改修も今年度が最終年度となります。トイレ改修に併せアートトイレとする取り組みも一部の公園で進めており、昨年度までに22か所が完成いたしました。今年度は2か所を予定し、地域の方々のご協力のもと、こどもたちとアーティストの共同制作など、親しまれ愛着の持てるアートトイレを作ってまいります。

 そして、10のプロジェクトが誕生した「としまぐらし会議」についても、今までの取り組みを検証しつつ、運営方法を工夫し、さらなる参画を促してまいります。


4.高齢社会への総合的な対策

 次に、第3の柱である、「高齢社会への総合的な対策」について申し上げます。

 高齢化が急激に進む中、75歳以上一人暮らし高齢者の割合が区や市の規模では全国一である豊島区には、その特徴に合わせた一歩踏み込んだ対策が求められています。健康、安全・安心、文化・コミュニティなど、各部局にまたがる取り組みを連携させた、全庁横断の総合的な対策を講じていく必要がございます。

 昨年8月に私を本部長とする「総合高齢社会対策プロジェクト本部」を立ち上げ、精力的に検討を重ね、本年3月には「高齢社会に向けたとしま総合戦略」を発表いたしました。今年度は、4月に専任の組織として「総合高齢社会対策推進室」を設置したのを皮切りに、5月10日の全国初となる「フレイル対策センター」の開設、先進的な「選択的介護モデル事業」の取り組み拡大など、他自治体に先駆けた施策を展開しております。

 さらに、7月には、100名を超える区民の皆様にご参加いただく「総合高齢社会対策推進協議会」を設置し、「オールとしま」による推進体制を整えてまいります。

 また、本区はこれまで文化に注力してまいりましたが、日常生活で文化に触れることは、心に潤いをもたらし、仲間をつくるきっかけともなり、心身の健康にもつながります。

 「福祉と文化の融合」をさらに深めることにより、豊島区ならではの「日本一の高齢者にやさしいまち」を実現してまいります。


(1)民生委員・児童委員の欠員対応

 まず、「民生委員・児童委員の欠員対応」について申し上げます。

 子どもたちの成長から生活に困っている方、障害者、高齢者まで、地域の最前線において、多岐にわたり相談や支援活動をされている民生委員・児童委員に多数の欠員が生じています。このことは、今後の地域共生社会の実現、総合高齢社会対策の実施に大きな危惧を生じさせるものです。

 民生委員・児童委員は、私は最大かつ最高のボランティアであると認識しております。

 この状況を打破すべく、私が自ら陣頭指揮をとり、田中 幸一郎 町会連合会 会長、寺田 晃弘 民生委員児童委員協議会 会長とともに、欠員解消に向け取り組んでまいります。区民の皆様のご理解、ご協力を得、この危機を乗り越えてまいります。


(2)フレイル対策センター

 次に「フレイル対策センター」について申し上げます。

 フレイル予防の実践と情報発信の拠点として、5月10日、「東池袋フレイル対策センター」を開設いたしました。フレイル対策を中心に行うセンターの設置は全国初です。

 センターでは、講座の開催、専門職による相談事業、認知症対策事業などのほか、高齢者の居場所・交流スペースとして「カフェ」を設置し、さらには、高齢者の孤食や閉じこもりを防止する「おとな食堂」も開催いたします。

 運動機能を計測できる機器も導入し、利用者からは「現在の状態を簡単に知ることができた」「定期的に確認したい」と好評の声をいただいております。また、毎日実施している「としまる体操」に通ってくださる利用者も増えてまいりました。

 このセンターが、高齢者が気軽に利用できる場、そして高齢者自身が担い手としても活躍できる施設となるよう、フレイル対策の第一人者である、東京大学 高齢社会総合研究機構の飯島 勝矢教授のご助言をいただきながら、また医師会、歯科医師会、薬剤師会と連携しながら、効果的な事業を推進してまいります。


(3)高齢者の服薬情報提供事業

 次に、「高齢者の服薬情報提供事業」について申し上げます。

 高齢社会への対応として、健康寿命の延伸、身体への強い負荷の発生を防ぐことが重要課題であります。

複数の処方薬を服用されている高齢者に対し「服薬情報のお知らせ」を通知する本事業につきましては、ただ、処方されているお薬の情報を提供するだけではなく、お知らせを受け取った方がより自らの健康管理に積極的に携われるよう、現在お知らせの内容や服薬相談の対応方法等の事業スキームに関する協議を、豊島区医師会、薬剤師会と鋭意行っております。

 秋の実施に向けてより良い事業となるよう準備を進めてまいります。


(4)住宅施策と福祉施策の連携

 次に、「住宅施策と福祉施策の連携」について申し上げます。

 高齢者世帯の民間賃貸住宅への入居に際しては、物件所有者の約7割が「入居に拒否感がある」との民間の調査結果もあります。これは、物件所有者が、高齢者などの入居に対して、家賃の滞納、住戸内での死亡事故等、様々な不安をいだいていることに起因しており、住宅施策と福祉施策の連携による居住支援の充実を図ることによって、物件所有者の不安を軽減していく必要があると考えております。

 このような状況を踏まえ、単身高齢者が民間賃貸住宅へ円滑に入居できるよう、これを後押しする仕組みについて鋭意検討中です。

 民間事業者との意見交換等を通じて、夏頃までに区としての一定の方向をとりまとめ、専門家のご意見もお聞きした上で、年内には、これからの高齢社会に対応した新たな住宅対策を打ち出していきたいと考えております。


5.地域との共生

 次に、第4の柱である、「地域との共生」について申し上げます。

 本区は、36年来の姉妹都市である秩父市と連携し、交流事業を推進してまいりました。人口を奪い合うのではなく、区民のライフスタイルの選択肢を広げ、豊かな生活を実現すること、それが豊島区と秩父市が進める生涯活躍のまちづくりです。


(1)二地域居住の推進(サービス付高齢者向け住宅)

 まず、「二地域居住の推進」について申し上げます。

秩父市が整備を進めている、20戸の「サービス付き高齢者向け住宅」は、本年秋の入居に向け、受け入れ側の環境が整ってまいりました。

 本年5月から、秩父市と住宅事業者が協力して、池袋東口での入居者募集説明会を3回にわたり開催しており、また同時に、入居者相互の関係づくりに向けた、住宅事業者による懇談の場が設置され、豊島区の6世帯、8名の方々が中心となって熱心な意見交換をしていると聞いております。

 こうした皆様が、より安心して秩父市での「生涯活躍のまちづくり」を、前向きに検討していただけるように、移住後の本区の福祉サービスの継続的な利用等について、できるところから実現すべく、秩父市と調整を進めております。

 本区と秩父市の進める、この取組みが「二地域居住」の全国的なモデルとなるよう推進してまいります。


(2)秩父市との連携によるカーボン・オフセット

 次に、「秩父市との連携によるカーボン・オフセット」について申し上げます。

 秩父市の1.89ヘクタールの森林を活用し「としまの森」を整備し、豊島区内で排出される二酸化炭素と、秩父市の森林で吸収する二酸化炭素とを相殺するカーボン・オフセットを行い温室効果ガスの削減に努めてまいります。

 また、「としまの森」を活用し、都市部では体験できないダイナミックな自然体験を通じ、環境意識の向上を目指す自然体験ツアーを実施いたします。具体的な内容は、現在、秩父市と協議していることころですが、ソメイヨシノやツツジなどの記念植樹、樹木の伐採などの森林整備体験、秩父市との交流イベントを盛り込む予定です。

 来る7月10日には、豊島区役所において、久喜 邦康 秩父市長と本事業の協定の締結式を行い秩父市との更なる連携を進めてまいります。


6.今後の行財政運営

 次に、令和元年度予算を踏まえた今後の行財政運営について申し上げます。

 令和元年度一般会計当初予算は、過去最大の予算規模となっております。

 8つの劇場を有するHareza池袋、野外オーケストラを楽しめる池袋西口公園、4つの公園を巡回するIKEBUSなど、区の将来に向けたさまざまな取り組みを連鎖的かつ集中的に展開するための予算を編成いたしました。これにより、一時的に公共施設建設などに要する起債額が増加することとなり、「基金」と「起債」の残高、いわゆる「貯金」と「借金」のバランスについても今年度末は、5年ぶりに「借金」超過になると見込んでいるところです。

 これらの取り組みは、いずれも本区の魅力と価値を高めるために必要な投資ではありますが、本年度と同規模の大型投資をこの先も連続して行う考えはございません。また、常々、申し上げておりますとおり、区政運営の基本は、「子育て」「福祉」「教育」「防災」といった区民生活の充実であり、これらを最優先に位置付けて区政を推進するという考えに、いささかの変更もございません。

 なお、区財政を取り巻く財政状況については、経済のグローバル化に加え、国による不合理な税制改正の影響など、区の歳入状況は、より複雑化し、不透明度が増す状況にあると捉えております。こうした状況を踏まえ、将来に渡って、安定的、継続的な財政運営を行えるよう、今後5年間の「予算の大枠」を改め、令和4年度には再度プラスに転じる計画を立てたところです。

 具体的な取り組み内容としては、予算編成時にあっては、事業の新規・拡充のみの提案にとどまることなく、既存事業の見直しをセットで提案することで、事業の新陳代謝を進め、予算や組織の膨張抑制を図ってまいります。

 また、予算執行時にあっては、より効率的・効果的な執行に努めるとともに、事業予算の執行残や契約落差金などを、安易に他事業へ流転用することのないよう、監視の強化を図ってまいります。

 さらに、事業の執行後には、行政評価を行い、各事業における成果や施策における貢献度を評価しているところでありますが、今後は、この評価結果が事業の継続や見直し、廃止などの政策判断に連動するよう、行政サービスの品質管理とマネジメント・サイクルの強化を図ってまいります。

 今後の財政運営にあたっては、これらの取り組みを着実に実行に移すことで、貯金と借金のバランス改善を一年でも早く前倒しで果たせるよう努めてまいります。


続いて、その他の重要施策の進捗について申し上げます。


7.教育

(1)区立小中学校体育館等の冷暖房化

 まず、「教育」のうち、「区立小中学校体育館等の冷暖房化」について申し上げます。

 今年度の安全・安心なまちづくりの目玉でもある体育館冷暖房設置事業は、既に設置工事に取りかかり始めた学校もございます。

 設置に際しては、冷暖房機器を動かすために必要な高圧受電設備の更新や増設、他の大規模改修工事との調整を図りながら進めていかなければなりません。しかしながら、学校体育館は、児童・生徒の活動場所だけでなく、災害時における避難所となることから、私は、最優先でこの冷暖房設置を進めるため、年内の設置完了を前倒しして工期の短縮を図ったところでございます。

 設置の早い学校では、1学期中に稼働の目途がついており、臨時的冷房措置対策をとりながら、その後も順次、稼働できるスケジュールとなっております。10月中には全施設の設置完了をするべく、スピード感を持って工事を進めてまいります。


(2)巣鴨北中学校の改築

 次に、「巣鴨北中学校の改築」について申し上げます。

 平成29年度より始まりました巣鴨北中学校の改築工事は、間もなく竣工を迎え、2学期がスタートする8月27日に開校いたします。

 新たな巣鴨北中学校には、伝統あるレンガ通りを継承しつつ、新たに学びの拠点となる学習情報センターの二層化や多目的に活用できるオープンスペースを設けるなど、多様で充実した学習環境を実現しております。さらに木材をふんだんに使用した校舎の内装により、生徒にとって落ち着いて過ごせる豊かな空間が、学力向上にも寄与できるものと考えております。

 私は、学校改築にあたっては、常に基本的概念として「学校づくりは街づくり」という考えのもと、地元の商店街や大正大学などの地域とのつながりをより一層大切にし、防災上の拠り所として、防災機能を強化することで安全・安心を与えることも重要視してまいりました。

 新しく生まれ変わった巣鴨北中学校がまちの中心として、いつまでも地域に愛される学校となることを期待しております。


8.安全・安心

 次に、「安全・安心」について申し上げます。

(1)自転車の安全利用に関する条例

 まず、「自転車の安全利用に関する条例」について申し上げます。

 本区はこれまで自転車利用者の運転マナーと交通安全意識の向上を図るとともに、交通事故の備えとして区民交通傷害保険などの加入促進に取り組んできました。

 しかしながら、近年、自転車事故による高額な賠償請求の事例が全国各地で散見されるなど、自転車事故に対する社会的責任の重みが増してきております。このような状況を踏まえ、被害者救済の確保等の観点から、自転車利用者等に対して自転車保険の加入を義務付けることとし、区民の皆さんの安全・安心を確保してまいります。


(2)再犯防止推進計画

 次に、「再犯防止推進計画」について申し上げます。

 全国における刑法犯認知件数は平成14年をピークに16年連続で減少する一方、検挙人数に占める再犯者の人員の比率は一貫して上昇を続けております。

 このような状況を踏まえ、区民の皆さんの犯罪被害を防止し、安全で安心して暮らせるまちを実現するため、再犯防止を推進する計画を策定します。

 再犯防止については、国は平成29年12月に計画を策定しており、現在、東京都も計画の策定準備を進めているところですが、これらを参考としながら、就労支援や住宅の確保、保健医療・福祉サービスの利用の促進など、罪を犯した者の円滑な社会復帰を後押しすることによって、再び犯罪に手を染めることを防止します。

 今後、検討部会を設置した上で、有識者や専門家のご意見を頂戴しながら実効性のある計画を、年度内を目途に策定したいと考えております。


(3)通園・通学時等の安全・安心

 次に、「通園・通学時等の安全・安心」について申し上げます。

 保育園につきましては、緊急点検により園が把握した交通安全上の危険個所について、区立園長経験のある職員が再度巡回・確認を行ったのち、区内3警察署に改善を申し入れてまいります。今後は区立保育園のマニュアルをベースに、区として統一的な園外保育マニュアルを作成し、私立保育園も含む区内すべての保育園の園外活動の基本としていく予定です。

 また、小中学校においては、これまでもインターナショナル・セーフ・スクールの成果を踏まえ、学校110番や防犯カメラの設置、通学案内指導員の配置、通学路の合同点検など不審者対策、安全対策に万全を尽くしています。しかし、このたびの川崎市の通学時の事件を受け、3警察署に特に通学時間帯の巡回強化を依頼するとともに、改めて各幼稚園長、学校長あてに、園内・校内体制の強化、登下校時や園外・校外活動等における安全確保、安全教育の徹底、警察等との連携などを図るため、「幼児・児童・生徒の安全確保徹底のお願い」を通知したところであります。なお、本定例会において、通学路の防犯カメラの設置台数を増やすための補正予算案を計上しております。

 今後も、引き続き様々な取組みを実施し、子ども達が安心して過ごせるように安全に万全を期してまいります。


9.おわりに

 新元号が「令和」になりました。新時代が始まるこの年、豊島区は、百年に一度と言われる、大改造の時を迎えております。

 振り返れば、2009年に文化庁長官表彰「文化芸術創造都市部門」を受賞してから10年の歳月が流れました。この間、ぶれることなく文化によるまちづくりを進めてきた成果が、いま結実の時を迎えています。国際アート・カルチャー都市構想を策定し、特命大使をはじめとしたオールとしまの取り組みが高く評価され、国家プロジェクト「東アジア文化都市」に選定されるまでに至りました。


 「夢、これ以外に将来を作り出すものはない。」これは『レ・ミゼラブル』などの代表作を世に送り出した、19世紀、フランス・ロマン主義の小説家 ヴィクトル・ユーゴーの言葉であります。


 私の文化によるまちづくりは夢が大きな力になっています。夢なくしては次に進む力にはなりえません。夢なくしては次の世代に託す心からの想いに至らないのです。厳しい財政状況を乗り越え、消滅可能性都市の課題克服に果敢と立ち向かった私の心を強く後押ししたのは、豊島区を愛する心とこれからの豊島区を描く夢そのものでありました。いま、夢が少しずつ姿を現してまいりました。その姿が、区民の皆さんにとって未来への希望となり、明日を創り出す「としまの地域力」へ繋がっていくのです。

 6,000人を超える方々にお越しいただいた区立芸術文化劇場竣工内覧会の日、正面玄関の赤い階段をのぼりながら、秋の完成を待つ方々の心に、これからの豊島区の明るい希望と未来への夢が広がったのではないでしょうか。

 まさにこれから、豊島区全体が、国際文化都市として、次世代に、有形・無形の価値を伝えるレガシーとして、変貌を遂げていくのが、まさに今なのです。

 このかつてないステージ「としま新時代」の実現へ向けた挑戦に際し、議員各位におかれましては、引き続き最大限のご理解とご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。


 本日、ご提案申し上げる案件は、条例8件、補正予算1件、その他12件、合わせて21件であります。

 各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、齊藤副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛賜わりますようお願い申し上げます。


 以上をもちまして、私の招集あいさつ及び所信表明といたします。