はじめに
本日、ここに令和2年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。
去る11月1日、「としま文化の日」記念式典が東京建物Brilliaホールにおいて開催されました。手厚い新型コロナウイルス対策を実施するなか、600人を超える皆さまにご出席をいただきました。
こうした「文化」をテーマとした記念日の設定は、基礎自治体では全国初となります。「文化の灯を消してはならない。灯し続けなければいけない。」という、区民の皆さまの強い思いやこれまでの文化への取り組みが結実した、まさに、豊島区の歴史に新たな1ページとして加わるものです。
記念式典では、「としま文化の日」の制定にあわせて、第三回区議会定例会において全会一致でご議決いただいた「としまSDGs都市宣言」を、区民の皆さまとともに、高らかに宣言いたしました。
宣言に続き、本区の文化政策に多大な貢献のあった7名、4団体の方に文化栄誉賞を授与するとともに、元文化庁長官で、豊島区政策顧問の近藤誠一氏に基調講演をいただきました。
区内各地では、近藤良平氏率いるコンドルズによる「祝祭の踊り」がトキワ荘マンガミュージアム前のトキワ荘公園などで披露され、池袋西口公園では「西本智実氏率いるイルミナート フィルハーモニーオーケストラ」の演奏、グリーン大通りや南池袋公園での「イケブクロ リビングループ」の開催、大塚駅では豊島区文化栄誉賞を授賞された美術作家の植田志保氏がペイントした駅ピアノが設置されるなど、まち全体が文化に染まる「文化の日」に相応しい一日となりました。
先日、2019年度の「全国市町村所得ランキング」が発表され、豊島区は全国1,741市区町村の中で24番目に所得が高い自治体となっております。私が区長に就任した平成11年の87番目に比べ大きく躍進するなど、これまでの「文化によるまちづくり」の成果が、経済などの様々な面に現れていることを実感しております。
さらには「日経グローカル」において、先日発表された「全国市町村電子化ランキング」では、練馬区に次ぐ15位に位置づけられ、高評価されました。
今後も「文化によるまちづくり」を基軸としながら、豊島区の魅力やまちの価値を高め、SDGs未来都市として全国のモデル自治体となるべく力強く取り組んでまいりますので、議員の皆様におかれましてもさらなるご理解とご協力をお願い申し上げます。
1.4公園を中心とした池袋の街づくり
はじめに、「4公園を中心とした池袋の街づくり」について申し上げます。
個性ある4公園の整備と連携は、SDGs未来都市の中心となるテーマであり、自治体SDGsモデル事業にも選ばれています。この「公園を核とする街づくり」により、持続可能な発展を支える「環境」「社会」「経済」の3側面の相乗効果を高め、さらにSDGs未来都市としての進化を目指してまいります。
イケ・サンパークは、7月11日の開園以来、小さなお子さんからご高齢の方まで、本当に多くの皆さまにご利用いただいておりますが、12月12日のグランドオープンにあわせて、日本最大級の「ファーマーズ・マーケット」がスタートいたします。
マーケットでは、埼玉県の新鮮な農産物をはじめ、区内の名産品、交流都市の物産など50ブースが出店されます。賑わいの創出や姉妹都市などの地域との交流ばかりではなく、環境や食品ロスにも配慮することを重視しており、「SDGsモデル事業」の第一弾として位置づけています。さらには、コロナ対策を徹底することにより安全・安心を確保するとともに、キャッシュレス決済を導入し、より買い物しやすい環境を整えてまいります。
毎週末に定期的にマーケットを開催することにより、「生産者と消費者」「人とまち」「まちとまち」が出合い、つながり、そして共に成長する新たなまちづくりの核となる事業として展開してまいります。
また、イケ・サンパークは、災害時には区民の皆さまの安全・安心を守る防災拠点でもあります。
区有施設初となる本格的なヘリポートを備え、発災時には、災害派遣医療チームDMATの輸送、医療物資の緊急輸送、重症患者の後送が可能です。また、断水地域に飲料水を供給するための応急給水槽や火災延焼防止のための水利となる深井戸を備えているほか、災害時用トイレ15基はイベント時にも活用できます。今月14日には、これらの機能を区民の皆さまにご覧いただく展示会を実施し、多くの方にご来場いただきました。
次に、4公園をつなぐIKEBUSについて申し上げます。
IKEBUSは、8月1日より東西循環のBルートを、西口からビックリガード、東通りを回るルートに変更いたしました。さらに、9月26日からはAルート、Bルートともに、イケ・サンパークへ乗り入れを開始したこともあり、9月の乗車人員は8月の1.2倍、10月は1.6倍と着実に伸びており、今後、さらに池袋の魅力の創出、活性化に貢献すると確信しております。12月には「ファーマーズ・マーケット」が開始されることにより、さらに利用者が大きく増加すると見込んでいます。
2.文化を基軸としたまちづくり
次に、文化を基軸としたまちづくりのマンガのシンボルである豊島区が世界に誇れる「トキワ荘マンガミュージアム」について申し上げます。
ミュージアムは、開館以降、大勢のお客様にご来館いただいております。
この間、新聞やテレビ、雑誌などの多くのメディアに数多く取り上げられました。北は北海道、南は沖縄まで全国の新聞だけでも、開館日直前からの約1か月間で267件もの記事が掲載されました。この広告による宣伝効果は2億円以上にのぼり、それ以降の各種のメディアによる宣伝効果を加えればさらに大きな効果を生み出しています。これに加え、全国から集まった寄付金は、11月1日現在で、1,005件、4億2,762万円となり、広告宣伝と合わせると建設に要した経費を凌ぐ効果となっています。
また、大手出版の「東京人10月号」をはじめ、「芸術新潮11月号」では表紙を含めて80ページの大特集が組まれるなど、トキワ荘マンガミュージアム開館による経済や地域活性化の効果は、計り知れないものと考えております。
そして、この度、手塚プロダクションの企画制作のもと、新企画展「トキワ荘のアニキ 寺田ヒロオ展」が10月30日からはじまりました。開催記念テープカットには、トキワ荘が生んだ大作家である藤子不二雄 Ⓐ先生がご来館されました。奇しくも、10月30日は66年前、昭和29年に藤子・F・不二雄先生とともにトキワ荘に入居された日と同じということもあり、テープカットの現場は感動と興奮に包まれ、また一つ、地域の悲願が叶った瞬間でありました。この様子はNHKでも昼、夜と放映され、大いに世間の注目を集めました。
来年1月からは、いよいよ手塚治虫先生の代表作の一つであり、「漫画少年」の看板作品であった「ジャングル大帝」の展示を開催する予定です。
今後も、魅力ある企画展を中心に、マンガ・アニメ文化発信の拠点として、地域の皆さまや全国からの来館者が訪れ、愛される施設となるよう全力を尽くしてまいります。
また、文化の灯を灯し続けるための応援プロジェクトとして、1件あたり最大30万円の新型コロナウイルス対策経費補助金を創設したほか、11月末までに公民連携で約80件の事業を集中的に実施します。
グローバルリングでは、豊島区の芸術顧問である炎のマエストロ小林研一郎氏と「コバケンとその仲間たちオーケストラ」による今年最後の特別公演が11月26日に開催される予定です。今やグローバルリングは、世界的に活躍する演奏家の演奏を身近に楽しむことのできる、世界に誇れる芸術の国際拠点としての役割を果たし、区民の皆さまにも満足いただいていることを嬉しく思っております。
まち全体に閉塞感が漂う現状を打破するため、文化事業でロケットスタートをきり、国内外に豊島区の文化の底力をアピールすることで、日本中の皆さんに活力・希望・笑顔を与えられるよう、積極的に取り組んでまいります。
3.高齢者にやさしいまちづくり
次に高齢者にやさしいまちづくりについて申し上げます。
KDDIと合同で準備してきたスマートフォンを活用したヘルスケアアプリの実証実験が、11月16日にスタートいたしました。
今年度は、カメラ撮影による健診結果の取り込みや、AIによる生活習慣病のリスク提示、近隣の医療機関検索、脳の健康度チェックなどを検証していきます。また、ウォーキング等の健康活動に応じて、コンビニ等で使えるクーポンを受け取れるほか、成績上位者には、区から「としま健康マイレージカード」をプレゼントします。
ぜひ多くの区民の皆さまにご参加いただくとともに、持続可能な高齢社会の構築に向けて、積極的にICT化を推進してまいりたいと考えております。
また、本年9月に実施した高齢者の呼びかけ事業では、75歳以上の方、約31,000人に往復はがきを送付しました。これまでに約4,400人の皆さまから返信をいただき、そのうち、約1,200人以上の方々から、相談がある旨の返信をいただくなど、大きな反響をいただいています。
これらのご相談については、記載内容からその緊急度を判断し、丁寧に聞き取りを行ったうえで、課題解決に向けたきめ細やかな対応を行なっています。
また、年明けの1月には、第2回目となる呼びかけ事業を実施し、高齢者の不安解消と健康維持に積極的に努めてまいります。
フレイル対策については、昨年5月に東池袋フレイル対策センターを設置し、フレイルに関するチェックや講座の開催などのほか、専門職による相談事業や、高齢者の居場所・交流の場としての「カフェ」や「おとな食堂」を実施し、フレイル予防の拠点として、積極的な展開を図っています。
また、フレイル予防拠点の全区展開を図るため、令和2年から2か年計画で、地域の拠点である「区民ひろば」にフレイル機器を設置し、身近な地域でフレイル予防に取り組める体制を整備してまいります。
この機器の設置に先立ち、6月から保健師や管理栄養士、作業療法士、理学療法士等の専門職が、22地区の区民ひろば等で「まちの相談室」として、月に1回、巡回相談を実施しています。フレイル機器で測定した結果や日頃の健康に関する相談など、気軽に相談できる場として、区民の方々からご好評をいただいております。
4.子どもと女性にやさしいまちづくり
次に、子どもと女性にやさしいまちづくりについて申し上げます。
来月の12月13日、この議場にて「としま子ども会議」に参加した小学生1名、中学生2名、高校生1名による「意見発表会」を開催します。
「としま子ども会議」に参加した児童生徒たちは、今年7月から11月まで毎月1回、オンラインで会議に参加し、自分で決めたテーマについて調べ、それぞれの考えをまとめてくれたと報告を受けていますが、どのような提案が飛び出すか、今からとても楽しみにしております。
次に、里親制度について申し上げます。去る11月14日に実施した、「養育家庭体験発表会」には、69名の方に参加いただき、終了後も質問が尽きなかったと報告を受けています。平成28 年の児童福祉法改正では、社会的養育の充実とともに家庭養育優先の理念を規定しましたが、様々な理由で親元を離れて生活する子どもが、都内で約4千人、豊島区でも約120人います。このような子どもたちを迎え入れ、温かい愛情をもって養育するのが「里親」であり、現在、区内で19件の登録をいただいております。今後もPR動画などの制度普及に向けた取組みを強化し、誰一人取り残さないSDGs未来都市として、家庭養育を推し進めてまいります。
次に、保育について申し上げます。保育園や学校など子ども関連施設等に勤務する職員のPCR検査費用を区が全額負担する取り組みを10月30日から開始したところです。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により見合わせていた取組みを、感染防止対策を徹底しながら、年度末に向けて実施してまいります。
特色のある取組みを二つほど挙げますと、一つは、企業などから出た未使用の廃材を活用し、個人で自由に制作を楽しむ子ども向けのワークショップです。子どもたちの豊かな発想力や表現力を最大限に引き出し、創造的活動を後押ししてまいります。
もう一つは、子どもたち自身が、いじめや暴力などから自分の心とからだを守る方法を楽しく学ぶことができる体験型プログラムを試行します。
このような取組みを通じて、乳幼児期に多様な経験ができる機会を確保しつつ、それを実践する保育士の保育技術の向上等に努め、さらに豊島区の保育の質を高めてまいります。
5.さらに安全・安心なまちづくり
次に、新型コロナウィルス感染症対策の取り組みについて申し上げます。
豊島区における新型コロナウィルス感染者数の状況は、11月15日現在で累計997名となっております。昨日の発表では、ついに1,000人になりました。23区感染者数では、15番目と決して多いほうではございませんが、保健所としっかりと連携をとって、対策に万全を期していきたいと思います。なお、豊島区の感染者数は11月に入り増加傾向となり、直近では1週間に約60名の感染者が出ています。
現在、全国で感染がふたたび拡大し、各地でクラスターの発生も報告されるなど、本区においても強い危機感を持っております。今後、インフルエンザとの同時流行にも気を配りつつ、刻々と変化する状況を注視しながら、より一層の緊張感を持って対応してまいります。
区民の皆さまにおかれましても、これまで以上に感染予防に留意した「新たな日常」による生活を心がけていただきますよう改めてお願い申し上げます。
PCR検査につきましては、東京都においても障害福祉サービス事業所、介護サービス事業所に対してPCR検査の支援を行っておりますが、対象となる施設は、特別養護老人ホームなどの大規模な施設に限られており、区内のほとんどのサービス事業者は支援対象になりません。このため区では、都の補助対象から外れる施設でも、新型コロナウイルスの感染者が出た施設につきましてはPCR検査が受けられるよう、今月より独自の支援を講じております。
また、感染拡大により大きく落ち込んだ景気は、飲食店などへの営業時間制限が解除され、先月から東京都が「GO TO トラベル」の対象に加わったことなどから、若干ではありますが持ち直してきたところです。
しかしながら、区内中小企業は依然として厳しい状況が続いており、9月以降も融資の申込が高止まりしています。このため、10月末までとしていたこの融資制度を12月末まで延長することとしました。
さらに、区独自の対策として、区内中小事業者の皆さまが感染症拡大防止対策を行った費用の一部を補助する事業を新設することにいたしました。今後も事業者の負担軽減や事業継続に向けた支援を積極的に行ってまいります。
次に、経済的に困窮し、住居家賃にお困りの方に対する住居確保給付金については、第2回定例会で補正予算を計上し、990件分の支給を確保したところですが、10月までに1,200件を超える申請がありました。
とりわけ、20代から40代の申請が8割にのぼるなど、若い世代の方への支援が増加しています。
「くらし・しごと相談支援センター」では、住居確保給付金の申請にとどまらず、相談者から生活状況を聞き取り、困りごとを整理しながら、その方にあった支援プランを作成しており、コロナ禍が続く中、今後もしっかり対応してまいります。
他にも、高齢者や障害者を在宅で介護している家族などが新型コロナウィルスに感染した場合、家族に替わって介護してくれる環境を整えて欲しいとの強いご要望を受けていることから、区では、在宅要介護者の受け入れ体制を整備し、万が一家族が新型コロナウィルスに感染した場合でも、安心して療養に専念できるうえに、介護を受けている方も住み慣れた地域で安心して暮らせる環境を確保いたします。
6.後期・基本計画
次に、「後期・基本計画」について申し上げます。
11月11日には、今後の区政運営の指針となる「後期・基本計画」の策定に向け、立教大学の原田久教授を会長とする「第1回基本構想審議会」を開催いたしました。
審議会に先立ち、私から諮問をさせていただきましたが、現計画が策定された5年前とは、消滅可能性都市の克服、「東アジア文化都市交流2019」の開催、100年に一度の集中投資となった「23のまちづくりプロジェクト」の完成など、本区を取り巻く環境は大きく変化しております。
今後、「国際アートカルチャー都市」の実現に向けた、「高齢者に優しいまちづくり」「子どもと女性に優しいまちづくり」などの視点に加え、「新型コロナウィルス感染症を踏まえた新しい日常」「行政手続きのデジタル化」「SDGsを踏まえた事業展開」など、現在、豊島区が直面する課題についてもご審議いただく予定となっております。
区議会からも審議会の委員としてご参加いただいておりますが、「豊島新時代」に相応しい「後期・基本計画」が策定できるよう、豊島区の将来を見据えたご審議をいただくことを期待しております。
また、感染拡大によって明らかになった課題の一つ、「行政手続きのデジタル化」の実現が本区においても急がれております。
デジタル化の推進につきましては、本年8月、庁内に「デジタルガバメント検討プロジェクトチーム」を設置し、行政手続きのオンライン化をはじめとする、デジタル技術を活用した区民サービスや庁内業務の改善などについて、全庁横断的な検討を本格的にスタートさせました。
あわせて、「ペーパレス・ハンコレス検討プロジェクトチーム」を設置し、検討を始めたところです。
今後も区民の皆さまの利便性の向上や行政手続きの効率化を目指して、積極的に検討を進めてまいります。
7.教育
次に、教育について申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響で、様々な学校行事も中止・縮小とせざるを得ない状況が続いている中でも、子供たちや地域の皆さまにとって、欠くことができない行事については、感染症対策を十分に取りながら、何とか工夫をして実現しようとしております。
11月3日の国が定める文化の日に、「豊島区中学校演劇発表会」がHareza池袋で行われ、私も高際副区長とともに、駒込中学校、千登世橋中学校演劇部の生徒の皆さんの激励に伺いました。今回の公演は、コロナ感染症の影響で大会が中止になり、行き場のない悔しさを抱えたまま、これまで頑張ってきた3年生を卒業させたくない、という先生方の熱意により実現したものです。
2校とも大変立派に舞台を演じ切り、観客の皆さまは涙を流したそうです。また終演後、演劇部の皆さんが「Harezaの舞台に立てたことは、一生の思い出です」「豊島区の中学校演劇部は私の誇りです」と語っていたことを伺いました。豊島の文化という襷が次世代にしっかり繋がっていることに心が熱くなりました。
また、本年は、西巣鴨幼稚園、朝日小学校、富士見台小学校、清和小学校がそれぞれ創立70周年を迎えました。記念式典は3密を避け、30分程度と時間を短縮し、来賓としてご招待する人数も「周年を祝う会 実行委員会」を中心に10名程度にさせていただいております。地域の学校をこれまで大切に見守って頂いた多くの思いを区議会議長、教育長と共に、代表しまして、お祝いをさせていただいております。
次に、小中学校の移動教室ですが、当初予定していた小・中学校の様々な移動教室につきましては、残念なことですが中止とせざるをえませんでした。
しかしながら、まず、小学校の最終学年である6年生につきましては、代替措置として、お台場にある体験型の英語学習施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」の日帰り体験活動を計画しました。10月1日から11月16日までに小学校全22校が無事に終了しましたが、そこでは、「イングリッシュスピーカー」が各グループに付き添い、子供たちは、全てを英語で話す環境の中で、楽しみながらコミュニケーションを取り、心が通じれば伝えられるという体験をし、もっと英語が話せるようになりたいなど、夢が膨らむ貴重な機会になりました。
また、中学校3年生の修学旅行につきましては、来年2月末から3月にかけて「東京ディズニーランド1泊旅行」を計画しております。義務教育を終える最後の、楽しい思い出をつくり、集団活動や社会生活のルールを学ぶ貴重な機会であることから、感染予防をしつつ何とか実施できる方法を考えたものです。生徒の皆さんは、今から大変楽しみにしております。
このように、感染症対策を十分に取りながら、子供たちに、今しかできない、かけがえの無い体験を何とか味わってもらおうと工夫する学校や地域の頑張りを今後も支援してまいります。
8.地域の活力の創出
次に、大塚駅北口広場の整備について申し上げます。
広場工事は現在、最盛期を迎えており、道路の排水工事や樹木の設置工事を実施しております。
この新しく生まれ変わる駅前広場に見合った広場名を、現在ネーミングライツの制度を用いて募集しています。命名権料として得られた収入はすべて、広場の維持管理費に充当する予定です。
来年3月末の北口広場完成に合わせて、新しい広場名につきましても現地に表示してまいりますので、光のファンタジーと共にご期待下さい。
次に、巣鴨地域無電柱化の取り組みについて申し上げます。
巣鴨地蔵通りの無電柱化工事は着実に進んでおり、年末年始に向けて参詣客も多くなることから、舗装復旧の際には段差が生じないよう十分配慮をし、無事故・無災害で事業を進めてまいります。
真性寺から高岩寺までの一工区につきましては、当初予定のとおり、来年の6月末に無電柱化が完了する予定です。
9.おわりに
『勇気は逆境における光である』
これは、18世紀前半のフランスの思想家、ヴォーヴ・ナルグの言葉であります。
「勇気」は、逆境を乗り越えるために、不可欠なものです。「破綻寸前の財政状況」や「消滅可能性都市」との指摘など、ピンチをチャンスと捉え、「文化によるまちづくり」をぶれることなく今日まで進めてきた原動力となったものが、まさにこの「勇気」であります。
振り返れば、今年は新型コロナウィルス感染症に伴う未曽有の影響に立ち向かう波乱の1年となりました。区独自のPCR検査センターの開設、私をはじめ区職員総勢320名、区議会議員の皆さま、商店街関係者、池袋警察署員などが猛暑のなかで行った「豊島区方式」による感染症対策など、今定例会を含め6次にわたる補正予算を計上し、これまでに経験したことのない常に変化する課題にも、勇気をもって、区民の皆さまの生命・生活を守るための様々な対策をスピーディに講じてまいりました。
現在、新型コロナウイルスの影響により、経済活動が休止・中止を余儀なくされ、社会全体が閉塞感に覆われております。
このような中で、特に、文化に触れる機会が少なくなり、「このままでは文化の灯が消えてしまうのではないか」と私は強く危惧しております。
こうした時こそ、豊島区が「勇気」をもって、「文化が平和をつくり、未来をつくる。」という私の信念のもと、「文化によるまちづくり」を実践することによって、文化の灯を灯し続けていかなければならないのです。
いよいよ、23のまちづくりプロジェクトの完成が近づいてまいりました。文化のにぎわいの拠点である「Hareza池袋」、4つの公園による魅力ある都市づくり、池袋を中心とする真っ赤なIKEBUS、トキワ荘の復元、大塚駅北口の再開発など、まさに、100年に一度の豊島区の挑戦であります。
これからは、これまでの集大成として、この23のまちづくりプロジェクトひとつひとつに魂を吹き込み、まちの活力を生み出す最高の舞台をつくりあげるという、さらなる挑戦が始まります。
私は、困難から目をそらさず、逃げることなく「勇気」を持ち続けることで、必ずや、豊島区のより良い未来を切り拓いてまいりますので、議会の皆様におかれましても最大限のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本日、ご提案申し上げる案件は、条例4件、補正予算4件、その他5件、合わせて13件であります。
各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、齊藤副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛賜りますようお願い申し上げます。
以上をもちまして、私の招集あいさつといたします。