はじめに
本日、ここに令和5年第一回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。
『輝く未来 開こう としま新時代』をテーマとした区制施行90周年も、残すところ2か月となりました。
今、新型コロナは「第8波」と言われ、また、ロシアによるウクライナ侵攻を契機とする物価高騰など、我々を取り巻く環境は、非常に厳しい状況です。
こうしたピンチだからこそ、将来のビジョンや区政の方針を明確に持ち、この難局を乗り越えていかなければなりません。
刻々と変化する社会・経済状況に機を逸することなく対応し、基礎自治体として、区民生活を守るために、全力を尽くしてまいりますので、区議会の皆さまにおかれましても、さらなるご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。
1.令和5年度の基本的な方向性
はじめに、令和5年度の区政運営に関する基本的な考え方を申し上げます。
令和5年度は、次なる100周年に向けた第一歩として「4つの重点テーマ」を掲げました。
その第一は、区民生活を支える「福祉・健康・教育の充実」、
第二は、持続可能なまちづくりをさらに加速させる「SDGsの推進」、
第三は、区民サービスと組織の生産性向上に向けた「デジタル化の推進」、
そして四番目として、人が主役のウォーカブルな「池袋の都市再生」を位置づけました。
これらの「4つの重点テーマ」と、これまで磨き上げてきた「中長期的な4つのテーマ」を両輪として、力強く区政を推進することにより、魅力と価値あるまちづくりを着実に進めてまいります。
2.令和5年度当初予算案
次に、令和5年度当初予算案の概要について申し上げます。
一般会計と3特別会計を合わせた令和5年度当初予算額は、前年度に比べ38億6,800万円の増となる1,961億6,700万円となり、過去最大の予算となった令和元年度に次ぐ予算規模となりました。
一般会計予算について申し上げますと、前年度比3億5,900万円増となる1,361億5,100万円と、こちらも過去2番目の予算規模となっております。
なお、令和4年度当初予算においては、新型コロナウイルスワクチン接種経費26億円を計上しておりましたが、予算編成の段階において、国の方針が決定していなかったため、令和5年度予算に計上しておりません。
こうした点を踏まえますと、実質的な対前年度比較では、29億円の増となり、区民サービスの拡充を図った積極的な予算であると考えます。
歳出のうち、区民生活の支えとなる扶助費については、過去最大規模であった令和4年度当初から、さらに8億円の増となる420億円を計上しました。
これは、待機児童対策の充実による私立保育所運営経費や、児童相談所設置市事務にかかる経費の増加が主な要因です。
また、新型コロナウイルス感染症や物価高騰による影響が続くなか、社会経済対策を含めた新型コロナウイルス感染対策経費は10億円を計上いたしました。
新規拡充事業における一般事業238事業、41億円のうち「福祉、健康・保健、子育て、教育」の分野に、全体の約半分を占める112事業、21億円を充てております。
歳入につきましては、特別区民税、特別区財政調整交付金、地方消費税交付金の3大基幹歳入について、いずれも令和4年度当初予算額からさらに改善を見込み、合計で56億円の増を計上しています。
こうした一般財源歳入の改善を見込む一方で、先ほど申し上げたとおり、区民サービス拡充のため、実質29億円の増となる積極的な予算を組んだことや、文化による価値あるまちづくりを継続していくために、3年連続で財政調整基金を活用する予算編成となりました。
その繰入額は、19億円であり、今年度予算額の48億円と比べると29億円の減となっています。
本区は、文化による価値あるまちづくりを推進してきたことにより、令和3年度決算において、貯金と借金のバランスは218億円の貯金超過で、過去最大規模の貯金超過を達成いたしました。
この強固な財政基盤を基礎として、さらに100周年に向けた取り組みを加速させ、区民の皆さん、区内企業の皆さんとともに、誰もが希望をもって暮らすことができる日本一の自治体づくりに努めてまいります。
3.区民生活を支える拠点づくり
次に、「区民生活を支える拠点づくり」について申し上げます。
今年度は、「森の中の学校」をコンセプトにした池袋第一小学校が竣工を迎え、「地域の拠点」である区民ひろばは、まず椎名町が10月にオープンし、そして池袋も先週よりオープンいたしました。さらには、区民ひろば要も4月の開設に向けて工事も大詰めとなっております。
令和5年度に竣工を予定する西部区民事務所等複合施設は、西部地域の学校改築を進めるための仮校舎「学び舎ぴいす」を併設しており、まず、令和6年4月から千川中学校の仮校舎として運用いたします。
西部区民事務所、西部高齢者総合相談センター、西部障害支援センターの3施設につきましては、施設全体の完成に先立ち今年10月にオープンを予定しています。
近隣の千早図書館及び千早地域文化創造館につきましても、それぞれ現在の場所において、新たな施設として改築整備する方針といたしました。
また、区立小学校では、児童数の増加に対応する高南小学校の別棟が令和5年度に完成し、教室や子どもスキップ、高南保育園の仮園舎として使用いたします。南池袋小学校や朋有小学校においても、今後、児童数の増加が見込まれることから、教室確保に向けた学校施設の整備を進めてまいります。
地震などの被害からライフラインを守る無電柱化も着々と進んでいます。「巣鴨地蔵通り」では、無電柱化にあわせて、旧中山道にふさわしい天然石を敷き詰めた参道の整備を行います。グリーンインフラを活用した環境モデル路線である立教通りの工事も昨年10月から始まっています。
このほかにも、区民ひろば朝日や清和、巣鴨第一保育園、さらには千川中学校、旧第十中学校野外スポーツ施設、中池袋公園のトイレなど、区内各地域において、子どもから高齢者まで、区民の皆さんの生活や活動を支える施設整備を順次完成させてまいります。
4.福祉・健康・教育の充実(2023重点テーマ1)
次に、令和5年度重点テーマの第一に掲げた「福祉・健康・教育の充実」について申し上げます。
まず、長期化するコロナ禍や区民生活に直接的に影響している物価高騰などを踏まえ、高齢者への補聴器購入費に対する助成の拡充をはじめ、高齢者や障害をお持ちの方への紙おむつ購入費等の助成額の引き上げ等、より身近な視点での「福祉施策」の充実を図ります。
また、令和8年度には、健康づくりの拠点となる「新・池袋保健所」の開設を予定しています。新たな保健所では、がん対策などの機能強化のほか、女性の健康支援をはじめとする「健康センター」機能を拡充し、気軽に健康チェックや相談ができる窓口を開設します。本庁舎と隣接する立地条件を最大に活かし、これまでの妊娠届や予防接種、医療費助成の手続きなど、切れ目のない子育て支援のさらなる充実に努めてまいります。
先週、2月1日には、これまで準備を重ねてきた「豊島区児童相談所」がオープンいたしました。子どもの福祉的な側面はもちろんですが、「子ども家庭支援センター」との連携による子育て世代への支援、「長崎健康相談所」との併設によって可能となる妊産婦や子ども、保護者の健康を支える取り組み、さらには、教育施策などとの連携が欠かせません。
豊島区の総合力を発揮することにより、様々な課題を抱える子ども一人ひとりと向き合い、「豊島の子どもは豊島で守る」という強い信念を持って、施設を運営してまいります。
5.SDGsの推進(2023重点テーマ2)
次に、重点テーマの2つ目である「SDGsの推進」について申し上げます。
今回の「SDGs先進度調査」では、消滅可能性都市の指摘をバネに取り組んだ「誰もが主役のまちづくり」が、SDGsとの親和性が極めて高いと評価され、全国の総合ランキングにおいて、前回の18位から9位へと大きく躍進しました。
これからも、地域に根差した全小中学校によるSDGsの取り組みに加え、「ひきこもり」対策の充実、ゼロカーボンの目玉となる「プラスチック資源回収事業」の全域実施など、着実にSDGsの実現に向けた取り組みを推進してまいります。
6.デジタル化の推進(2023重点テーマ3)
次に、3つ目の重点テーマ「デジタル化の推進」について申し上げます。
本区では、令和2年度から重点テーマとして「デジタル化推進」を掲げ、昨年6月には「豊島区DX推進計画」を策定するなど、区民サービスの向上と業務改革に取り組んでまいりました。
各種行政手続きの電子申請の拡充、区独自のひきこもり相談や「ゆりかご面接」など、オンラインでの相談体制を強化するとともに、現在の「公共施設予約システム」についても、各施設で異なる利用ルールを整理・統合したうえで、令和6年度から、オンライン決済に対応したシステムへと刷新いたします。
一方、デジタル化の推進には高齢者のデジタルデバイド解消が欠かせません。来年度はこれまでの取り組みを拡充し、「つながる ひろがる デジタルシニア育成事業」を展開いたします。地域区民ひろばや地域文化創造館における「フリーWiFi」の整備を拡充するとともに、スマホ教室の拡充やオンラインでの介護予防講座を開催いたします。
あわせて、5か所の地域区民ひろばにおいて「地域共生カフェ」をオープンし、カフェを楽しみながら、気軽にスマホの教室や相談ができる環境を整備いたします。
7.池袋の都市再生(2023重点テーマ4)
次に、4つ目の重点テーマ、「池袋の都市再生」について申し上げます。
「池袋駅西口地区」や「東池袋一丁目地区」などの再開発計画が進展するなか、今年度は、池袋駅の東西を結ぶ「人が主役のウォーカブル都市」を将来像として明確に位置付け、3月には「池袋ウォーカブル基本方針」を策定いたします。
池袋駅の中央地下通路を軸として、東西の駅前にかつてない規模の歩行者空間を生み出すとともに、シンボルストリートである「グリーン大通り」と「アゼリア通り」をつなぎ、大規模な「ダンベル型のまちづくり」を展開することで、これまでの「駅袋」を脱却し、まち全体の回遊性を高めてまいります。
こうした「ウォーカブルなまちづくり」のイメージを、多くの皆さんにイメージしていただくため、3月21日、春分の日には、東のグリーン大通りと西のアゼリア通りの車道を歩行者に開放する「ウォーカブルなまち体験イベント」を公民連携で開催いたします。
また、3月29日には、区制90周年事業のクロージングイベントとして、区の都市政策顧問である隈研吾氏による講演を予定しています。
こうした100周年を見据えた明確な都市づくりのコンセプトを一つひとつかたちとしていくことで、東京の中でも圧倒的な存在感を示す「国際アート・カルチャー都市」のメインステージとなる池袋をつくりあげてまいります。
8.文化を基軸としたまちづくり(中長期1)
次に、100周年に向けた中長期的な目標の1つ目である「文化を基軸としたまちづくり」について申し上げます。
文化を基軸としたまちづくりが、池袋のまちを大きく変貌させています。その成果の一つが、池袋のサブカルチャーを牽引してきた「アニメイト池袋本店」のグランドオープンです。
国際アート・カルチャー都市のシンボルである「ハレザ池袋」に隣接する新店舗は、ライブなどが行える展示会場など、5つの劇場空間を持った世界最大規模のアニメショップとして、3月16日にリニューアルオープンします。
「ハレザ池袋」の8つの劇場と合わせた13の劇場と、一体感のある外観デザインなど、圧倒的な存在感で世界中のファンが集結する「アニメの聖地・池袋」に新たな拠点が誕生いたします。
同様に、池袋モンパルナスから続く、昭和のマンガ文化の象徴とも言えるトキワ荘マンガミュージアムを中心とする「マンガによるまちづくり」、世界のトップアーティストが共演するグローバルリングを核とした「音楽によるまちづくり」など、まちが大きく動き始めています。
豊島区の文化によるまちづくりへの挑戦は、これからが本番です。「文化により経済の好循環を生みだすまちづくり」によって、日本の推進力となり、子どもたちが未来に希望を持てる豊島区を実現できるよう、邁進してまいります。
9.子どもと女性にやさしいまちづくり(中長期2)
次に、2つ目の目標である「子どもと女性にやさしいまちづくり」について申し上げます。
本区は12月24日に発表された日本経済新聞社などの「共働き子育てしやすい街ランキング2022」で全国第1位に選ばれました。
「子育てしやすいまち」として認知度が高まるばかりではなく、国勢調査においても、ファミリー層の転入が前回調査の平成27年時と比較して、1,135世帯増加するなど、本区の児童数は確実に増加しております。
これは、保育園の待機児童ゼロの達成に加えて、在宅で子育てされているご家庭への支援や、出産前から寄り添う切れ目のない支援の充実など、様々な支援策をオールとしまで取り組んできた成果であると考えております。
令和5年度の新規拡充事業においても、「としま子どもの権利擁護センターの設置」や「すずらんスマイルプロジェクト」など、子育て分野に手厚い拡充を図っています。
一人ひとりが自分らしく暮らし、安心して子どもを産み、育てることのできるまちづくりの実現に向け、子ども家庭部や保健所、そして教育委員会など関係部署が緊密に連携しながら、常に区民の皆さんの視点に立って事業を展開してまいります。
10.高齢者にやさしいまちづくり(中長期3)
次に、3つ目の目標である「高齢者にやさしいまちづくり」について申し上げます。
令和5年度には、高齢者の皆さんが、一人暮らしでも健康で安心して暮らせるまちづくりを実現するための「総合高齢社会対策プロジェクト」を、さらに充実させてまいります。
要支援認定者等の入浴困難な高齢者を対象とする「入浴特化型短時間デイサービス」モデル事業や、精神疾患を持つ高齢者へのアウトリーチ、行政・地域・関係団体等が一体となり成年後見制度の利用促進を図る協議会の設置など、新たな事業にも積極的に取り組んでまいります。
また、高齢者の身体機能の回復・向上を目指す「短期集中通所型サービス」の拡充や、長期化するコロナ禍における孤立を防止するための「高齢者への呼びかけ事業」なども継続して実施してまいります。
11.さらに安全・安心なまちづくり(中長期4)
次に、4つ目の目標である「さらに安全・安心なまちづくり」について申し上げます。
犯罪の抑止効果や早期の犯人検挙を目的とする、町会や商店会等の地域団体に対する「街頭防犯カメラ」の設置補助を大幅に増額するなど、防犯環境の整備により地域の防犯力強化に努めてまいります。
今年は、甚大な被害をもたらした「関東大震災」から、ちょうど100年の節目の年となります。これを契機に大正大学地域構想研究所の「防災・減災プロジェクト」と共同し、災害時における要支援者への対応を検討いたします。
また、昨年9月には「受動喫煙防止対策本部」を設置し、全庁を挙げて受動喫煙の防止対策を進めています。この一環として1月27日には、「WACCA池袋」5階に民間喫煙所の第1号が誕生しました。
来年度からは、喫煙所の設置経費に加え、維持管理経費を助成するとともに、設置基準を緩和いたします。
こうした民間事業者による公衆喫煙所の設置促進など、公民連携により、総力を挙げて受動喫煙やポイ捨て防止対策に取り組み、「安全・安心に暮らせるまちづくり」をさらに推進いたします。
12.教育
次に、教育について申し上げます。
先の議会では、金子智雄教育長の再任にご同意をいただき、1月から二期目の任期がスタートしました。
新たな任期においては、「教育ビジョン」の改定が当面の課題となります。総合教育会議などにおいて、教育委員会と十分に意見を交換しつつ、コロナ禍による教育現場の変化を踏まえながら、多様化する課題に対応した計画へと移行させてまいります。
新たな「教育ビジョン」では、さらなるGIGAスクール構想の実現や、体験学習の充実、児童・生徒が抱える課題に対する支援を強化するとともに、個人の能力や感性にあわせた深い学びと豊かな心を育む教育を実践し、子どもたちが幸せを実感しながら、学べる環境づくりを重視したビジョンとなるよう取り組んでまいります。
昨年10月にはスクールソーシャルワーカーを増員し、従来の学校からの申請による個別のケース対応に加え、全ての小中学校を巡回し、課題の早期発見・早期対応に努めてまいります。
本年4月には、自閉症・情緒障害特別支援学級を、池袋第一小学校と池袋中学校に増設いたします。既に設置されている南池袋小学校の「けやき学級」も含め、これまで以上に多くの児童・生徒に対し個別最適な教育が可能となり、本区の特別支援教育が、また一歩前進するものと考えております。
また、中学校の休日の部活動について、文部科学省が示すガイドラインに基づき、協議会を設けての検討と地域人材などと連携したモデル事業の実施など、地域との連携を重視した取り組みを進めます。また、これを契機に、中学校の放課後対策に専任の担当を置き、中学生が学習や生活の困りごとの相談や支援を受けられる新たな居場所づくりについて検討してまいります。
13.おわりに
今定例会は、令和5年度予算をご審議いただく、非常に重要な議会でございます。
区民の皆さんの生命や生活を守るため、そして、100周年に向け、文化の力で価値あるまちを目指す「国際アート・カルチャー都市」、子どもたちに未来を託す「SDGs未来都市」、人が主役の「ウォーカブル都市」の3つの将来像を実現するために、職員一丸となって取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
最後になりますが、私は、年明けから新型コロナウイルスに感染し、基礎疾患もあったため、療養をしておりました。早期の公務復帰を目指し、入院先の病院や自宅で仕事を続けながら、治療してまいりましたが、残念ながら、まだ完全回復には至っておりません。この間、皆さんには、多大なるご迷惑、ご心配をおかけし、誠に申し訳ありません。今後もリハビリを続け、次にお会いできる時には元気な姿をお見せできると思います。
私は、池袋で生まれ、池袋で育ち、豊島区の発展のために情熱を注いでまいりました。区長として6期24年、振り返りますと、本当にいろいろなことがありました。決して、順風満帆ではなく、財政破綻の危機や、消滅可能性都市の指摘等、苦労したことの方が多かったかもしれません。
しかし、そのようななかでも、文化は人々の生活を豊かにし、違いを超えて人と社会を結び、平和と未来を創る、という信念はぶれることなく、文化を基軸としたまちづくりを進めてまいりました。区制施行70周年、80周年と歩みを進めていくなかで、先人から受け継いだ地域社会やまちは、昨年、90周年を迎え、誰も想像しえなかった、文化による経済の好循環を生み出す「価値あるまち」へと大変貌を遂げることができました。これはひとえに本日ここにお集まりの皆さん、議員の皆さん、そして、本当に本当に多くの方々のお力添えあってのことと感謝申し上げます。
今、お一人おひとりのお顔を思い浮かべると、万感胸に迫る思いです。区民や企業の皆さん、議員や職員の皆さんと一緒に苦労しながらも夢を追いかけた日々は、本当に幸せでした。こんな幸せ者は他にはおりません。ありがとうございました。
私は、次期区長選には、出馬いたしません。
今後についてですが、三年間、私を支えてくれた高際みゆき副区長は、皆さんから好評価をいただいている自慢できる方です。子育てしやすい、女性にやさしい、誰一人取り残さない社会の実現のために、これからの豊島区政を長く引っ張っていくリーダーとして、適任であると考えております。
「過去から学び、今日を生き、未来へ希望をつなぐ」ことが、今を生きる中継ランナーとしての私の役割でありました。
区制施行90周年記念行事を通して、区民や企業、行政が一体となって取り組む姿を見ることができ、豊島区の未来を担う「ひと」を育てる土壌ができたと感じています。次世代にしっかりバトンを渡すことができました。一片の悔いもありません。
新しい区長のもとでも、区民や企業、行政の多様な関係や豊かな活動が息づく地域社会を築き、次の100周年、その先の未来に向けて、一歩一歩確実に歩みを進めてください。
「命には終わりあり、能には果てあるべからず」という世阿弥の言葉があります。豊島区政に果てあるべからず。24年間誠にありがとうございました。
本日、ご提案申し上げる案件は、条例7件、予算4件、補正予算2件、その他5件、合計18件であります。
各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、齊藤副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛賜りますようお願い申し上げます。
以上をもちまして、私の招集あいさつ及び所信表明といたします。