本日ここに、平成六年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、何かとご多忙の中にもかかわりませず、ご出席を賜り深く感謝を申し上げる次第でございます。
さて、今回ご提案申し上げます案件のうち、平成五年度一般会計並びに三特別会計歳入歳出決算の認定につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、過日、監査委員より審査意見書をいただきましたので、法令の定める関係書類を添えまして、ここに提出いたした次第でございます。よろしくご審査の上、ご認定を賜りますようお願い申し上げます。
この際、平成五年度一般会計決算の概要につきまして申し上げたいと存じます。
まず、決算収支の状況を申し上げますと、歳入決算額は一千八十億九千五百八十万円であり、一方、歳出決算額は一千五十億一千百三万円となりました。その対前年度に対する伸び率は、歳入歳出決算額とも、それぞれ二・六%の減、二・四%の減となっておりまして、昭和五十年度以降では初めてのマイナスの伸び率となっております。また、予算現額に対する収入率は九八・七%、執行率は九五・九%となっており、前年度よりともにやや下回っております。
平成五年度における形式収支並びに実質収支につきましては、ともに同額の三十億八千四百七十六万円の黒字ではございますが、単年度収支では三億五千百七十九万円の赤字となっております。
次に、歳入決算額の財源構成を見てみますと、一般財源の伸び率は特別区民税の減収の影響からマイナス三・五%となっておりまして、その構成割合は六六・六%、前年度に比べ〇・六ポイントの低下となっております。なお、財源不足に対する臨時措置として予定しておりました庁舎等建設基金よりの運用金につきましては、全額、歳入をせずに見送りとすることができました。
また、歳出決算額の内容についてでございますが、平成五年度の一般会計予算は、バブルの崩壊に伴う景気低迷が一段と深刻化し、国や都の財政環境も極度に悪化しつつある厳しい財政状況のもとで、現行行政水準の維持向上を目指し、経常的経費の縮減をはじめ起債や各種基金の活用等、徹底した財源の捻出に努めまして、区民の方々の切実なご要望も厳選せざるを得ないという中で予算編成をいたしたものでございます。さらに、事務事業の執行に当たりましては、緊急財政対策特命委員会の検討を踏まえ、職員の創意工夫による一層の経費の節減を実行いたしてまいりました。こうした状況の中で執行いたしました区政各般にわたる事務事業の内容につきましては、別途提出をさせていただいております平成五年度成果報告書をご高覧いただきたく存じます。
また、新公共施設整備中期計画に基づき計上いたしました施設建設事業の決算状況につきましては、猪苗代青少年センターの改築、三芳グランドの整備をはじめとする二十事業につきまして、その執行額は百五十九億六千九百五十四万円、執行率九六・四%となっております。
次に、性質別内訳を見てみますと、義務的経費すなわち人件費、扶助費及び公債費の総額は歳出決算額の三八・七%を占め、前年度より二・五ポイント増となる一方、投資的経費の割合は二五・三%でありまして、前年度比五・四ポイント減となっております。
次に、財政の健全性を示す財政指標により平成五年度決算を見てみますと、実質収支比率につきましては五・一%、経常収支比率は七八・八%、公債費比率は六・〇%となっておりまして、いずれも適正水準の範囲内にあるということができます。
以上のとおり、平成五年度の決算実績は、おおむね適正な執行により所期の成果を挙げ得たものと考えております。
さて、去る八日経済企画庁の月例経済報告では、我が国の景気の現状について、「引き続き明るさが広がってきており、緩やかながら回復の方向に向かっている。」と指摘されておりますことから、中・長期的な観点に立ちますときには幾分の明るさを感ずるところでございますが、一方で、報告では現下の為替相場や雇用情勢に懸念を示すものともなっておりまして、短期的には、当分の間、依然として厳しい財政運営を強いられるものと考えております。このため、平成七年度に向けての予算編成にかかる財源見通しも、昨年と同じく、大変に難しいものがございますが、英知を結集し、その確保策について万全を期し、区民の皆様のご負託に最大限応えるべく努力いたしてまいりたいと考えております。
次に、都区制度改革の進捗状況につきましてご報告申し上げます。
先の第三回定例会の直前に都と区の協議が整いまして、自治省に対して法改正等のための要請を行いましたが、その後、区議会ともども関係各方面への協力要請を行ってまいりました。また、十月末には、臨時区長会におきまして清掃事業の移管に向けての具体的行動計画を了承し、各特別区における清掃事業のあるべき姿の実現を目指し、その考え方、関連施設の整備などについて明らかにいたしました。今回の特別区の自治権拡充にとりまして、いよいよ大詰めの大切な局面となってまいりましたので、区議会とも緊密な連携を図りながら、来年四月の法改正実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、本日ご提案申し上げます案件は、決算認定四件、条例七件、あわせて十一件でございます。各案件につきましては、後刻日程に従いまして、助役及び収入役よりご説明申し上げますので、よろしくご審議の上、ご協賛を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
以上をもちまして、招集のあいさつといたします。