平成10年第3回区議会定例会招集あいさつ

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 本日、ここに平成十年第三回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては何かとご多忙の中にもかかわりませず、ご出席を賜りまして深く感謝申し上げる次第でございます。


 さて、我が国の経済情勢でございますが、先般、経済企画庁が発表しました国民所得統計速報によりますと、本年四月から六月までの第二・四半期の国内総生産GDPは、実質で前期比〇・八%減少し、戦後初めて三期連続のマイナス成長となっております。また、金融システム不安をはじめ、個人消費や設備投資など民間需要が一段と冷え込み、日本経済は景気の底が見えない最悪の状況にあると思うのでございます。


 こうした深刻な景気低迷等に対処するため、国は、個人住民税を含むおよそ七兆円規模の減税措置等の経済対策に取り組むこととしております。本年四月に打ち出した十六兆六千億円という過去最大の総合経済対策と相まって、日本経済再生の転機到来に強く期待しているところでございます。


 しかしながら、今回検討されている減税措置の特別区財政に与える影響が極めて懸念されるところでありまして、とりわけ、所得課税における最高税率の引き下げが住民税にも及ぶ場合には、深刻な事態となります。このため、去る八月二十八日、特別区長会におきましては、減税措置の具体化に当たっては、国の経済対策によって地方財政が逼迫することのないように適切な財源措置を講ずるよう、大蔵大臣及び自治大臣に対し緊急要望を行ったところでございます。


 次に、去る七月十五日の都区協議会において決定された平成十年度の都区財政調整区別算定結果でございますが、平成六年度以降五年連続して二十三区全区が交付区となっておりまして、算定額は、基準財政収入額・基準財政需要額とも前年度算定額とほぼ横ばいとなっております。また、本区の普通交付金の額は二百二十億六千八百万円余でございまして、九年ぶりに当初予算計上額に比べ千七百万円余上回っております。


 次に、行財政改革の取り組み状況でございます。まず、事務事業の見直しにつきましては、すべての事務事業についてあらゆる視点から総点検等を行う手段として、新たに事務事業評価調査票を作成いたしまして、昨年と同様、全事務事業を対象に行革集中サマーヒアリングを終えたところでございます。また、平成十二年度の都区制度改革及び介護保険事業の実施体制整備と二十一世紀を見据えた組織の再編・整備を検討している組織等検討委員会は、この十月にも中間のまとめを行う予定となっております。その他の検討課題も含め、平成十一年度の行財政改革計画を成案化し、十一月上旬にも区議会にご説明申し上げまして、ご指導を仰ぎたいと考えております。


 次に、清掃事業の区移管問題について申し上げます。


 去る五月八日、地方自治法等改正法が公布され、都区制度改革は、平成十二年四月一日をもって実施することとなり、いよいよ実施のための具体的な準備段階に入っております。


 このような状況の中、八月十日に開催されました特別区長会におきまして、東京都から、平成六年九月に都区間で合意しました協議案が作成されてから四年を経過し、ごみ量の減少、ダイオキシン規制の強化、都区双方の財政状況の急激な悪化等、状況は大きく変化していることから、平成十二年に協議案どおり移管した場合、事業運営上どのような問題が生じるか検討しておく必要があるとの問題提起がありました。


 これを受けまして、特別区長会では、直ちに協議案どおり実施した場合の問題点について検討するよう、部長級で構成する清掃移管実施委員会に下命いたしました。その検討結果が去る九月十日の特別区長会に報告され、これを了承したところでございます。


 この報告は、一般廃棄物の収集運搬については、車庫整備等の諸条件が整えば、現時点で協議案どおり実施することが可能と考えること、また中間処理については、各清掃工場間の調整等が必要であるが、自区内処理が達成されるまでの経過的対応である地域処理については、ルールの構築により可能と考えるが、なお検討が必要であると結論づけております。


 特別区長会におきましては、この検討結果に基づきまして、東京都に対し、早期に都区検討会を開催し、移管に向け万全の準備を行うよう要請いたしましたが、東京都からも、早急に協議を開始したいとの提案が出されたところでございます。


 平成十一年四月には、清掃事業移管のための政令改正等が予定されております。そのため、移管後の具体的な運営形態についても早期に都区で決着し、年内にも自治省に成案を持ち込む必要がございます。限られた日程ではございますが、円滑な清掃事業の移管を実現するため、今後とも全力で取り組んでまいる所存でございます。


 次に、中小商工業対策でございます。


 平成十年上半期の負債総額一千万円以上の全国企業倒産は一万百六十二件、負債総額六兆三千五百五十三億円となり、前年同期比では、件数で二八・〇%増、上半期としては昭和五十九年に次いで過去二番目を記録し、また負債総額は〇・三%増で、戦後最悪を記録しております。


 一方、豊島区内の平成十年上半期の企業倒産概況は、件数が六十八件、前年同期比二八・三%増、負債総額四百四十八億円で、同じく前年同期比で二・六倍を記録し、長引く景気低迷の中で深刻な様相を呈しております。


 このような不況に苦しむ区内中小商工業・商店街の厳しい経営環境に対処するため、本定例会において二つの新規・拡充事業を補正予算に計上いたしております。


 一つは、中小商工業融資事業の拡充でございまして、本年十月一日貸付分から、制度融資の基本貸付利率を二・七%から二・五%へ〇・二ポイント引き下げ、区の負担利率を〇・一ポイント引き上げることによりまして、本人負担利率を〇・三ポイント引き下げてまいります。また、制度融資の本年七月末現在の貸付実績は、対前年同期比で六二・七%増と大幅に伸びておりますことから、金融機関への預託金を三十五億円から四十億円へと五億円積み増しし、融資額総枠を現在の百四十億円から百六十億円に拡大することといたしております。


 二つ目は、元気を出せ商店街事業への取り組みでございまして、本年度、小規模商店街支援策として東京都が新規事業として打ち出した商店街の活性化を目的とする補助事業でございまして、本区では、東京都の当初予算規模三億円の一割を超える三千三百万円余の交付を受ける見込みとなり、所要の予算計上をいたしております。次に、いわゆる三大プロジェクトとして進めてまいりました施設建設事業について申し上げます。


 まず、平成七年度から四カ年計画で整備を進めてきました新池袋保健所等の建設につきましては、工事進捗に若干の遅れがあったものの、この十一月四日竣工し、十二月二十八日から新保健所が開設されます。新池袋保健所には、本格的に整備しました子ども事故予防センター及びエイズ知ろう館を配置しまして、衛生部事務室も同時に移転いたします。また、併設いたします口腔保健センターは、南大塚歯科休日応急診療所を移設しますとともに、既存事業の在宅高齢者歯科訪問事業のほか、新規事業としまして、障害者、障害児及び寝たきり高齢者の歯科診療事業を行うなど、診療内容の充実を図るものでございます。また、同じく併設します休日診療所は、池袋休日診療所と雑司が谷休日診療所を移設・統合するものでございまして、この両施設については、明年一月の開設となります。


 次に、西巣鴨二丁目地区複合施設でございますが、平成九年三月に建設着工して以来、明年二月の竣工を目指し、工事は予定どおり順調に進捗しております。定員九十名の区立四番目の特別養護老人ホーム、区内十一番目の高齢者在宅サービスセンター及び定員三十名のケアハウスの三つの施設で構成する複合施設でございますが、特に区内で初めて整備するケアハウスは、入所者に対し、相談、食事、入浴等の日常サービスを提供するほか、介護が必要になった場合には外部福祉サービス等を利用し、自立した生活を継続できるよう支援してまいります。この三施設につきましては、豊島区社会福祉事業団に運営委託するよう予定いたしておりまして、平成十一年五月の開設を目指し準備を進めているところでございます。次に、新池袋保健所、西巣鴨二丁目地区複合施設と合わせ、三大プロジェクトの最大の施設整備として取り組んでまいりました清掃工場還元施設でもある上池袋二丁目地区複合施設でございます。平成八年十月建設着工以来二年六カ月を経まして、明年三月には竣工予定でございますが、この間、運営形態等施設開設に向け鋭意検討してまいりました。


 まず、開設時期につきましては、スポーツセンター、コミュニティ施設及び高齢者在宅サービスセンターの三施設は明年七月、健康診査センターは同じく九月の開設を予定しております。


 また、運営形態でございますが、スポーツセンターは、これまでのスポーツ施設にはない健康づくりを中心とした運営形態とし、個々の体力や健康状態に合った運動処方により、適切な運動が実践できる健康増進施設として、厚生省認定の指定運動療法施設の指定を目指しますとともに、効率的な運営を図るため、専門業者に委託することを検討いたしております。また、コミュニティ施設は、多目的ホール、会議室、和室及び浴室から構成されておりますが、無料施設として開放してまいりたいと考えております。また、健康診査センターは、MRI、ヘリカルCT等高度医療機器を配備した高度の検査体制を備えて、区が実施する各種健診の拠点施設としますとともに、区内医療機関の共同利用にも供するととによって、地域医療の高度化を図ることを目的とし、その運営は、ご案内のとおり豊島区と医師会で共同出資する第三セクター、医療法人財団が担ってまいります。なお、高齢者在宅サービスセンターにつきましては、西巣鴨二丁目地区と同様、豊島区社会福祉事業団に運営委託してまいりたいと考えております。


 いずれにいたしましても、三大プロジェクトは本格的な高齢社会における保健・医療・福祉との連携を推進し、平成十二年四月にスタートする介護保険事業の基盤整備を見据えて着手した事業であり、バブル崩壊後の厳しい財政状況の中での施設建設事業でございましたが、すべての施設が本年度中に開設あるいは竣工する運びとなり、区議会はもとより、区民及び関係者の皆様のご理解とご協力に対し、ここに厚く御礼を申し上げる次第でございます。


 最後に、介護保険制度の導入準備の状況について申し上げます。


 介護保険制度の詳細につきましては、現在、国レベルで審議されており、まだ決定しておりませんが、およそ三百項目にわたる政省令は来春二月にも制定される予定と聞き及んでおります。


 本区では、当面の準備作業として、この八月から介護保険事業計画策定のための高齢者実態調査を実施しているところでございます。この調査は、事業計画を策定する上での基本データとなるものでございまして、六十五歳以上の高齢者約一万五千名を対象としており、集計・分析作業を経て年内を目途に中間の取りまとめを行い、まとまり次第、区議会にご報告申し上げる所存でございます。


 また、本保険制度を円滑に実施する上での課題検証を含めまして、今月末から在宅療養者五十二名及び施設入所者四十八名、合わせて百名を対象に要介護認定モデル事業を実施いたします。また、在宅療養者のうち十名については、ケアプラン作成モデル事業をも実施いたしますが、この作業も含め、十二月中に実施状況をまとめたいと考えております。


 いまだ全容が明らかでない介護保険制度ではございますが、今後とも平成十二年四月の事業開始に向けて万全を期してまいる所存でございます。


 本日ご提案申し上げます案件は、条例三件、契約六件及び予算一件、合わせて十件でございます。各案件につきましては、後刻、日程に従いまして助役よりご説明申し上げますので、よろしくご審議の上、ご協賛賜りますようお願い申し上げます。


 以上をもちまして招集のあいさつといたします。