本尊は、元和七年(一六二一)日誘上人願造の高祖日蓮上人の坐像を安置し、その霊験は極めてあらたかで、いわゆる台方のお祖師様として諸人の信仰を集め、毎月旧十二日の縁日は遠近からの参詣人により殷賑(いんしん)を極める。
文化の末年頃(一八一七)火災に罹り、堂塔・伽藍・典籍・古文書等が焼失したが、幸い檀信徒の協力により、文政年間、堅祐の住職時代に、本堂・庫裏を再築し、更に大正一一年(一九二二)当山三七世日慧の時代、伽藍の大改修を発願し、翌一二年工事に着手、翌一三年四月、銅板葺本堂および鐘楼が完成し、昭和四〇年(一九六五)庫裏を新築し、今日に至っている。
妙福寺本堂
当時の什宝としては、日法上人作の祖師(日蓮聖人像)・(改宗の際身延山より寄贈されたもの)と、等身古銅の観音像がある。この二仏は一般から帰依が特に深く、毎月十二日(陰暦)の例日には参詣者が多い。