東金ばやし

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 「東金ばやし」は東金市岩崎および押堀に伝承され、前者は、「東金ばやし保存会いわか会」、後者は「雷囃子(らいばやし)保存会」を結成し、このはやしを継承している。
 千葉県は、昭和三八年(一九六三)五月四日、この「東金ばやし」を無形民俗文化財として指定し、長く伝承することにしている。
 この「東金ばやし」は、日吉神社の夏祭(水祭ともよばれる)に山車(だし)の下座連によって演奏され、祭気分をいやが上にも高めるはたらきをしているもので、軽快なもの壮重なもの等いろいろある。
 すなわち、曲目には
 
 ① シチョウメ
 ② トオリバヤシ
 ③ バカバヤシ
 ④ ライバヤシ
 
の四つがある。この曲のうち①②は長唄ばやしを真似たものである。
 特に①のシチョウメは、四曲中最も壮重で儀礼的な曲で、神社に入る時、神社前を通過する時、山車や屋台が向かい合った時に演奏するもので、②のトオリバヤシは、一名押堀ばやしともいわれるものである。④のライバヤシは、押堀地区の人たちによって、社前で演奏されるのを特色としている。
 楽器は、横笛・締(しめ)太鼓・三味線・大鼓・小鼓・大胴(おおかわ)等が使用される。
 本県には、佐原囃子(ばやし)・木更津ばやし等祭りばやしは多いが、江戸時代に広く普及した長唄を従来の曲にとり入れて、いわゆる長唄風に編曲されているのが、この東金ばやしの特色であり、本県の民俗芸能として、時代と共に大成した一つの典型で、芸能史上の価値は高いものがあるといわれる。