ここは元公平小学校の敷地跡であるが、この裏山は急崖をもって、九十九里平野に臨んでいる。もと小学校裏から、この急崖をのぼる間道があったが、この上は台地になっていて、畑地として耕作されていた。
今は、ここに千葉県立農業大学校が建設され、家之子から、幅広い道路が、この学校へと通じ、開発されて昔の面影はない。
この道庭台地に道庭古墳群がある。
左図にその位置を示したが、この台地上に一〇基の古墳があり、□又は〓で示した方墳を中央に、その左右に点在している。
この古墳群は長年の耕作によって、その殆んどが削り去られ、原型を残すものは、一-二に過ぎない。「東金市の古墳」より、その大きさを転記すると次の通りである。
古墳番号 | 古墳の形式 | 大きさ | 備考 | |
長さ直径 | 高さ | |||
1 | 円墳 | 22m | 5.7m | 墳長平坦 径10m |
2 | 方墳 | 32 | 7.5 | 二段築成 上段長さ13.5m 高さ2.5m |
3 | 円墳 | 12 | 4 | 封土半分削らる |
4 | 円墳 | 7 | 2.6 | まわり殆んど削らる |
5 | 円墳 | 6 | 3.2 | まわり殆んど削らる |
6 | 円墳 | 18.5 | 1.9 | 馬頭観音の石碑あり変形している |
7 | 方墳 | 21 | 2.8 | 墳頂削平されて畑となっている |
8 | 円墳 | 不明 | 1 | 殆んど封土を失っている |
9 | 円墳 | 25 | 3.5 | 山林 |
10 | 円墳 | 19 | 2.1 | 封土の約半分削らる |
この表でわかるように、方墳の一つは、二段築成で、一段に五メートル、二段目を二・五メートルに築いてあるのが特徴であるし東金市内では最も大きい方墳である。
古墳番号の一および九の円墳は大きいが、六の円墳に馬頭観音の石碑が見られることは研究課題であろう。このうち一号円墳はその規模からいって東金市内の方墳中でも極めて立派な土饅頭型を呈する代表古墳であろう。
なお、近くに家之子古墳群がある。