城山の大杉

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 「東金の三本杉」と俗に言われている。しかし、現在は一本しかない。言うまでもなく、酒井定隆の築城になる東金城址の最高地点に望まれるものであって、その昔は三本が並んで立っていた。
 現存する一本の大きさは地面との境で周五・七九メートル、目の高さで四〇・二メートル、高さ二六、七メートルと測定されている。(昭和一一年中山音弥氏調)
 この地方は近くに山武杉の産地があり、杉の木に適した地味を持っている。麓の本漸寺と八鶴湖を間に対峙(たいじ)する最福寺の老杉が物語るように、この三本杉も他の樹木にぬきん出て高く天空に聳え立っていた。
 したがって、東方の九十九里浜の出漁船も帰りの目印として、東金の位置を確認したもののようである。こうした目印は、ひとり城山の三本杉にとどまらず、各地でいわれていることであるが、東金附近の台地が山武・長生郡市の中で最も高いといわれているだけにその名が知られているといえよう。

日吉神社の杉並木