全国的に分布する左義長(さぎちょう)の、小正月の一月一四日の夜に行なわれる火祭。
大正月に飾った〆飾りや門松・竹・建前の鏡一式などを、七草あけに子どもたちが集めて、定められた所に小屋などに作り、当日に備える。
当日は昼間から、竹や木の棒を三本組みの櫓(やぐら)に組んで、その中に正月飾りなどをつめこみ、日が暮れる頃、子どもや大人まで集まって来て焚く。周囲の開けた場所、田の中などで行なわれるので、あちこちから火の手が次々にあがり、春を迎えるにふさわしい行事となる。
書初めを焚くと、字が上手になるといい、この火に当たると若返えるとか、風邪をひかないとか、皮膚が荒れないとか言われている。この日、若餅という餅つきをし、大黒柱か石臼に、椎の木などを結びつけ、枝に小さな切餅をさす。木綿(きわた)という。
焼いた門松は、持ち帰って門口に立てておくと、福運を招くとか、無病息災を祈るといわれている。
また、どんどん火の最中に、竹がはぜる音を発すると、その年の天候がよいとされた。