薄島(すすきしま)区に伝承されている、子どもを悪疫の疱瘡(天然痘)から防ぐ願いを込めた祭。
当日は当番宿へ老婦人や子どもたち(二~三歳から小学生まで)、乳呑み児をつれた婦人たちが集まる。
子どものいない家でも、仲間に入っていることが多い。
昭和三〇年代では、会費一〇円、これは子どもたちの菓子代となった。
別名「ほうそうビシャ」といわれ、女ビシャのような集いである。
歓談が進むと、やがてくじ引きが行なわれ、来当が決められる。
会の終りには皆で「神送り」と称して、来当の宿へ幡(はた)二、三本を捧持して行き、お開きとなる。
幡は大きいのは一間、小さいのは三尺ほどで、白地に神名を墨書してある。