東金短歌会の指導的位置にいた森川邇郎氏は、昭和三六年(一九六一)病気療養のため千城園に入院した翌年八月に、療養にはげむ人々の心のささえにと「松かさ短歌会」を主催し、共に精進しながら初心者への指導を始められたが、四一年(一九六六)八月、「松かさ短歌会」を主体にして、月刊短歌雑誌「土偶」を発行し今日に至っている。「土偶」は毎月一回一日発行であり現在第一八巻一二号に達している。
森川氏が「土偶」と名づけたのは、次のような意味があるという。
「土偶とは土でつくった人形であるが、神または仏の像という意味もある。療養中の患者は、人形のように医師や看護婦の言葉を聞かねばならないし、神仏のように無私になって病と闘わねばならない。そんな患者の心の叫び、そんなことから土偶としたのである。」
更に言う。
「歌づくりは自己の発見であり、闘病もまた自己の発見につながる。」
と。
現在事務所は東金市福俵一〇八四番地森川邇郎宅にある。
会則として「土偶小規」がある。
一 本会は「土偶短歌会」と称する。
一 本会は短歌を愛好するものの集いであり、広く文芸活動を楽しむ者は誰でも入会できる。
一 本会は短歌の創作を中心とする「雑誌」を毎月一回発行する。
一 入会を希望する方は住所、姓名、歌歴等を明記し、会費六カ月以上をそえて、発行所宛に申込むものとする。
一 会員は次の如き区別により、それぞれ会費を負担するものとする。
同人 月額 千二百円
準同人月額 八百円
会費 月額 六百円
特別会員 無料
一 同人、準同人は編集担当者の合議により推薦する。
一 特別会員は長期療養者、身体障害者および特別の事情あるものとする。
一 雑誌発行維持のため、月額二千円以上の醵出者は維持同人として遇する。
一 会員は、毎月短歌作品一五首以内、その他研究・歌評・論文・随筆等を投稿できる。その採否は、編集担当者に一任するものとする。
一 原稿の〆切は毎月末日、作品は翌々月号に掲載する。
用紙は四百字詰原稿用紙(B4)を使用し、二枚以上に亘るときは二つ折にせず、重ねて右端を綴ること。
一 原稿の送先は、東金市福俵一〇八四、土偶短歌会宛のこと。