銅製品(金鍍金)は、その時代では貴重な材料で作った製品であることから、それを身に付けた人物の社会的地位・身分・階層などを反映していることが多い。とくに帯金具は、8世紀に唐様式の帯金具を官人の身分として採用した。これは
鉸具・
丸鞆・
巡方・
鉈尾から成り、養老衣服令には朝服に五位以上は金銀装腰帯、初位以上が
烏油腰帯と規定している。また大きさや数によって身分の上下を区分したようである。ところが、796年(延暦15)鋳銭の銅不足を補うため、青銅製品の鋳造・使用を禁じたことから、石製の装具(石帯)が作られるようになった。
いずれにしても、階級的な「差」をビジュアル的なもので示そうとしたことが窺えよう。
皮や布地のベルトに付けた金銅製などの金具。奈良時代以降は石帯が用いられた。