鰐口

 鰐口とは、仏堂の前の軒にかけ吊るす銅製の仏具のことで、本体の設置した縄を振り動かして打ち鳴らしました。
 最福寺に現存する鰐口は、天文20(1551)年に題目講の人々によって寄進されたとされています。天文20年は13代足利義輝が将軍で、織田信長が家督を継いだ年でした。
 題目講とは、法華経系の信徒で構成された信仰集団のことで、鎌倉時代には存在していたと考えられます。中世の後期には行事や事業を支援するなど、宗派全体の振興と経済の両面から支える組織となっていきました。この鰐口の寄進も、講の寺院に対する支援の一例と考えられます。
 
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