北条伝馬手形

 「北条伝馬手形」は、天正11(1583)年12月1日、日殷上人が京都から東金の本漸寺に向かう際、小田原北条氏より与えられたものです。
 そもそも「伝馬」は、主要な道路に置かれた「宿駅」という拠点に、人やモノの輸送のために常駐された馬のことです。この手形は「小田原から東金まで、伝馬3匹を使うことを許可」したものです。また、「可除一里一銭」の部分から、「伝馬の使用料も1里につき1銭免除」されたことも窺えます。
 日殷上人は京都で生まれ、京都妙満寺二十五世に昇進した人物で、天正11年に正親町天皇によって大僧正に任命されました。同年12月に本漸寺の四世になっているため、この手形は日殷上人が本漸寺に向かう途中で与えられたものであることが分かります。
 
 画像を見る