目次
/
第Ⅲ章 絵・地図から見る東金の歴史
/
絵画
春秋田園風俗図屏風
作者の朝岡興禎は、狩野探幽の弟尚信を祖とする木挽町狩野家の第8代伊川院栄信の次男です。朝岡家には文政3(1820)年に養子に入りました。代表的な作品として、興禎が幕府の絵番掛であったころに目に触れた作品の図様や落款を丹念に写し取り、伝記史料を添えて分類した「古画備考」挙げられます。模写を得意とし、穏やかな作風が特徴です。
本作品は、右隻に春、左隻に秋の景色を描いたものです。耕作図でありますが、桜や桃の花と柳、秋の紅葉と色づいた蔦、太陽と月といった美しい自然が細部まで丁寧に描かれているのが特徴的です。興禎の高い模写の技術を窺うことができます。
画像を見る
【参考文献】
門脇むつみ著「朝岡興禎筆「春秋農村図屏風」」〔『城西国際大学 日本研究センター紀要 第1号 -耕作図と木挽町狩野家の系譜の中で』(2007)〕
(PDF:4.7MB)