二十一世紀の街づくり

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 昭和六十年(一九八五)に中部経済連合会が発表した三遠南信トライアングル構想は、東三河・静岡県西部・長野県南部の三地域の特徴を活かし、産業振興とその適正配置を進める先進的な構想であった。
 平成五年七月、政府は「三遠南信地域整備計画」を発表した。三地域を結ぶ自動車道とその沿線地域の開発が盛り込まれており、その背景には三遠南信トライアングル構想に端を発する地道な交流の積み上げがあった。同年八月、東三河地域の四市一五町村は国の指定を受け、「東三河地方拠点都市地域」の基本計画を立てて取り組むことになった。今、域内の市町村は「生活の都」をキーワードとし、地域の特性を発揮するとともに互いに補い合って、豊かで魅力にあふれる二十一世紀のまちづくりをめざしている。
 こうしたなかで、豊橋市は市制施行九十周年を迎える平成八年度の完成をめどに、新市民病院の建設、豊橋駅総合開発事業、市役所新庁舎の建設という三つの大型事業に取り組んでいる。これらの大型プロジェクトの推進は、市の基本構想に基づくまちづくりの一環であり、都市機能の円滑化をはかるとともに、健康で快適な市民生活を保障するものである。
 二十一世紀は地方の時代といわれている。東三河の四市一五町村、そして豊橋市の取り組みは、その確立に向けての布石である。しかし、それが真の成果をあげるかどうかは地域に住む人々の構えにかかる。経済活動にしろ文化活動にしろ、しっかり根をおろすためには、一人ひとりの自覚と連帯意識の高揚に待つところが大きい。問われているのは活動の質である。行政は条件整備を通して人々に手を貸すが、まちづくりの主役はあくまでも地域の住民である。

東三河地方拠点都市地域整備計画