(あいちけんひがしかもぐんし)
【近代】
東加茂郡役所の廃止を前にして、大正10(1921)年3月に刊行された郡誌である。郡誌編さんのいきさつや、高橋祐雄(古三郎)編の『東加茂郡誌草稿』との関連ははっきりしない。前編は自然誌、後編は人文誌で、全12章からなる。地理、沿革、行政、産業、交通、教育、社寺、名所古蹟、風俗、人物などについて、概要を示したもので、130頁ほどの小著である。これとは別に、明治24(1891)年の郡制施行で自治体として成立した東加茂郡は大正12年3月に廃止されたが、この間の郡制、郡会、郡吏員、郡費、造林事業、郡有財産、功労者などをまとめた『東加茂郡制史』が刊行されている。
『新修豊田市史』関係箇所:11巻814ページ