愛知種馬所 

 

(あいちしゅばじょ)

【近代】

種馬所とは、国有種牡馬を繋養し、民間の繁殖牝馬に種付を供用した施設。日清戦争後、軍馬の確保を主眼とした産馬改良を実行するため、各地に設置された。中部地方にも1か所設置されることとなり、愛知県・石川県・長野県による誘致合戦を経て、明治34(1901)年7月、愛知種馬所が北設楽郡段嶺村(現設楽町)の段戸種畜場用地に設置された(種畜場は廃止)。用地は種畜場から引き継いだ132町歩に、武節村(稲武地区)と名倉村(現設楽町)の土地を新たに加えた231町歩であった。愛知・岐阜・長野・静岡の各県に種牡馬を派遣し、明治43年には保管種牡馬30頭によって民間牝馬1284頭に種付を行い、産駒683頭を得ている。同年末に額田郡美合村(現岡崎市)に移転され、さらに大正12(1923)年に軍縮の影響で廃止された。

『新修豊田市史』関係箇所:4巻307・320・476ページ、12巻344ページ

→ 段戸種畜場