アオスジアゲハ 

 

(アオスジアゲハ)

【自然】

暖温帯常緑広葉林に生息するチョウで、幼虫はクスノキやタブノキの葉を食べる。そのためクスノキを植栽した都市では、春から秋まで数回発生を繰り返し、多くの個体がみられる。植栽樹に産み付けられた卵から孵化した1令幼虫は、いわゆる毛虫で脱皮すると緑色をした芋虫に代わり、脱皮を繰り返したのち5令を経て普通蛹となり、独特の模様を持った成虫が羽化する。羽の中心にみられる緑(青)色の部分には鱗粉が付着しておらず透けている。素早く飛翔するため吸蜜に来ている個体しか得ることは難しいため、子どものあこがれの的になるようだ。ミカン科の植物を食べる種類が多いアゲハチョウ科の中では、クスノキ科食は比較的珍しいし、クスノキ自体は防虫剤として使用する樟脳を含むことがわかっているので、いわば「タデ食う虫」としても面白い存在である。


『新修豊田市史』関係箇所:23巻449ページ