秋葉信仰 

 

(あきばしんこう)

【民俗】〈信仰〉

遠州秋葉山の三尺坊大権現に対する信仰で、火伏や火防を願目とする。秋葉信仰は江戸時代に庶民の間に広まったが、明治政府の神仏分離政策により、秋葉権現は火之迦具土神を祀る秋葉神社と秋葉寺(ともに静岡県浜松市)に分かれ、三尺坊は可睡斎(袋井市)に移された。市域では、集落の秋葉神社や秋葉さんの小祠、常夜燈などをムラで祭る活動と、秋葉神社や秋葉寺、可睡斎などにムラの代表者が参り、火防の御札を受けてくる活動がみられる。東大林(下山地区)では山の峠に秋葉さんを祀っている。祭礼時は頂上で菓子が振る舞われるため、子ども達は山の斜面を駈け上がってもらいに行き、それを「子どもお百度」といった。瀬戸市に近いムラでは同市の慶昌院に代参するところもある。八草(保見地区)の上切では、組長4人が朝、慶昌院に代参し火防の御札を受けてきて各戸に配り、終わると夕方、秋葉さんの常夜燈にお参りをして酒を飲んで解散している。〈信仰〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻803ページ、16巻749ページ