(あさひのまちなみ)
【建築】
小渡町(旭地区)。小渡町は、矢作川上流の山間地に位置している。旭村役場が太田から小渡に移転したのは昭和15(1940)年のことである。町並みに沿うように矢作川が流れ、町の中央を横断する介木川も、家並みを横切って矢作川に流入している。その河口付近に筏土場が置かれ、官林材の積み出し湊として町並みが発展している。地区は1~5班に分けられており、土場のある両国橋を接点にかぎ型に形成され、街村形態をなしている。東に2・3班、南に4班の民家が中心で、中でも東の糟谷長家住宅の町屋は、旧製材所で近年まで営業しており、南の鵜居利八家住宅は、郵便事業の貢献者で実業家の町屋、今もその繁栄の様子をみせている。昭和に入るとダムの影響で筏流しの伝統は途絶え、昭和50年代以降は、過疎化と高齢化により人口は減少している。
『新修豊田市史』関係箇所:22巻388ページ