亜熱帯

 

(あねったい)

【自然】

地球を取り巻く対流圏の気候帯の一部である。気候帯は、極から寒帯、亜寒帯、温帯、亜熱帯、熱帯に区分され、亜熱帯は中緯度と赤道地域の中間にあたる気候帯である。中緯度に位置する日本列島は、北海道の一部が亜寒帯、本州のほとんどが温帯地域であるが、九州南部、および沖縄では亜熱帯に所属する。亜熱帯は、熱帯海域の上昇気流に伴うハドレー循環の下降域にあたり、中緯度高圧帯とも呼ばれている。我が国では、夏季のほとんどが亜熱帯ジェット気流の北上に伴い亜熱帯高圧帯に覆われるが、冬季は寒帯前線ジェット気流の蛇行に伴う南下で北日本は亜寒帯になることも多い。中部日本はシベリアからの寒気が張り出す南限にあたり、寒気の南下周期によって気候変化が大きい特徴がある。近年の日最高気温が35.0℃を上回る猛暑が頻発するようになったのは、日本列島が亜熱帯化してきているからであり、熱帯海域の海面温度の上昇がハドレー循環を強め、中緯度の下降気流域の乾燥断熱効果が増してきていからである。特に豊田を含む三河山間部に沿う内陸盆地は海岸部に比較して気温の上昇率が高まっている。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻87ページ