亜熱帯ジェット気流

 

(あねったいジェットきりゅう)

【自然】

北半球を流れる偏西風は、高緯度側の寒帯前線ジェット気流と低緯度側の亜熱帯ジェット気流に分けられるが、亜熱帯ジェット気流は低緯度側の偏西風である。地球を取り巻く対流圏は、気温の高い熱帯地域と極の寒気との熱交換によって、低緯度からハドレー循環、フェレル循環、および極循環の3 つの子午面に沿う循環系から成り立っているが、亜熱帯ジェット気流は、反時計回りのハドレー循環と時計回りのフェレル循環の収束帯にあたり、その中心は200hPa 面に相当する。ハドレー循環は、赤道付近の上昇気流に伴う反時計回りの循環系で直接循環であるが、フェレル循環は極循環との間に形成される間接循環であり、亜熱帯ジェット気流の緯度的位置は、ハドレー循環の規模に左右されるといっても過言ではない。さらに、亜熱帯ジェット気流は梅雨前線に相当することから、北太平洋高気圧の勢力拡大に伴って北上して梅雨入りとなるが、チベット高原の北側に達すると梅雨明けとなる。また、秋季の秋雨前線も亜熱帯ジェット気流の緯度的位置とも深い関係を持っている。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻89・100・123ページ