イガマンジュウ

 

(イガマンジュウ)

【民俗】〈食生活〉

米粉(上新粉)を熱湯で練った団子の生地に小豆餡を入れ、上に色粉で青(緑)、黄、赤の三色に染めた米粒をつけて蒸したもので、三月節供の菓子として主に西三河南部で作られる。市域では南部の平野部に分布し、オコシモノと両方作られている。鴛鴨(上郷地区)では、イガマンジュウ用の生地は挽き臼で粳米と餅米を混ぜて挽き、熱湯でよく練った後、一度軽く蒸してからまたこねて、小豆餡を包んだ。上につける米粒は、水に浸けておいた餅米を色粉で三色に染める。長興寺(挙母地区)でも、上につける米粒は昔から三色で、中に入れる餡はこしあんが好まれ、テンジク豆を使って作った。堤(高岡地区)でも三月節供にはイガマンジュウを作ったが、オコシモノと違って保存がきかないため、前日か当日に作った。イガマンジュウは早い時期から購入するものとなり、三月節供前には和菓子店や大手メーカーが盛んに販売し、現在も三月節供の菓子として親しまれている。〈食生活〉


『新修豊田市史』関係箇所:15巻339ページ、16巻343ページ

→ 三月節供