市場城跡

 

(いちばじょうあと)

【考古】

小原地区市場町城・坂尻ほかに所在し、標高390mの山上に築かれた中世城館跡。城は鱸重愛が城主の際の天正18(1590)年または文禄元(1592)年に破却されたといわれている。遺構が南北約80mの細長い主郭Ⅰを中心に、東西約200m、南北約300mの範囲に広がっていて、西三河最大級の城郭であったといえる。主郭ⅠやⅡ郭、虎口などには石垣が構築されており、虎口Ⅰは櫓台と一体になった喰い違い虎口で、織豊系城郭に類似している。また、西三河では珍しい畝状空堀群もあり、遺構変遷の解釈が難しい。


『新修豊田市史』関係箇所:2巻566ページ、20巻280ページ