伊保郷 

 

(いぼごう)

【古代・中世】

古代賀茂郡に属した郷名。「いぼのさと」とも読める。伊保郷の位置については、現在豊田市に伊保町名として残っているように、近隣の保見町を含めた地域に比定されている。式内社射穂神社が属している。また、白鳳期の古瓦を出土する伊保廃寺が含まれている。豊田市所蔵の「伊保郷印」(市指定文化財)は遅くとも平安時代にさかのぼる貴重な伊保郷の郷印であり、伊保郷名の初出例である。なお、伊保郷印は他に保見町所蔵印と個人所蔵印があるが、いずれも金属成分の科学分析から、江戸時代以降に製作されたものであることがわかっている。

『新修豊田市史』関係箇所:2巻74ページ