上野氏

 

(うえのし)

【古代・中世】

三河国碧海郡上野を本拠とする足利氏庶流の武士。南北朝期には石見、丹後、但馬守護を務め、次第に本拠であった名字地との関わりを弱めた。上野頼兼が足利直義に従ったが、観応の擾乱(1349~52年)で没落すると、上野氏の勢力は一時弱まった。頼兼の子詮兼、その子満詮の代にいたって将軍の近臣として申次、御供衆、御部屋衆、または番衆を務めた。戦国期には将軍の近臣が減少していくなかで、上野氏は16世紀後半の幕府滅亡時まで近臣としての活動が確かめられる。

『新修豊田市史』関係箇所:2巻393ページ、6巻434ページ