上ノ段古墳 

 

(うえのだんこふん)

【考古】

猿投地区加納町の亀首谷の標高92mの下位段丘面(越戸面)の崖近くに単独で築かれた古墳。ほ場整備事業に伴い昭和46(1971)年に市教育委員会による発掘調査が実施されている。調査時には東西9m、南北11.9mの墳丘が残存しており、墳丘の東寄りで横穴式石室が見つかった。本来の墳丘は直径14m程度の円墳であったと考えられる。横穴式石室は残存長5.6m、奥壁幅1.92mの無袖形で、須恵器の蓋杯のほか碧玉製管玉・短刀・鉄鏃・刀子が出土した。古墳の築造時期は古墳時代後期の6世紀後葉である。

『新修豊田市史』関係箇所:1巻453ページ、19巻454ページ