(うちぬきいど)
【自然】
鋼管や塩ビパイプを地中に打ち込み、地下水を採取する井戸をさす。つるべで水をくみ上げる開放井戸と比べて、打ち込んだ管の直径が小さいため、中に管を通し、手押しポンプや電動ポンプによって地下水をくみ上げる。掘削する規模が小さいので、開放井戸に比べて相対的に掘削の労力やコストをおさえることができる。豊田市においても、民家や小規模工場などで、非常に多くの打ち抜き井戸が掘削されている。近年は、開放井戸においても手動ポンプや電動ポンプを設置し、井戸に蓋をしているものが増加している。このような造作は、比較的手軽に井戸を掘削できたり、異物が井戸の中に落ちて混入するといった安全衛生の点で有効である。一方、打ち抜き井戸は地下水の湛水深や水位を確認することが困難であることが非常に多く、地域における地下水位の変化を空間的に把握し、水量保全に向けたデータの蓄積が難しくなっているという状況がある。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻269ページ