衛生委員 

 

(えいせいいいん)

【近代】

明治13(1880)年4月、愛知県は町村衛生委員の配置に関する布達を出した。これは12年12月内務省が制定した町村衛生事務条項に基づく布達である。衛生委員は各町村で2人を公選し、出産・死亡・流産の統計調査、道路・井戸・下水・便所・芥溜などの掃除、学校・病院・旅籠・芝居小屋などの清掃、腐敗した魚鳥獣肉などの販売監視、墓地の位置と埋葬法への注意、コレラ・腸チフス・発疹チフス・赤痢・天然痘・ジフテリアなどの伝染病の予防、避病院の設置、種痘の奨励など、詳しく職務を定めた。西加茂郡では各地に衛生委員相談会が開かれ、伝染病の予防や発生時の対策、衛生環境の維持など、各町村が連携して衛生行政を担う体制が整えられた。なお衛生委員は15年2月の県布達によって、委員の一人は戸長が兼務することになった。

『新修豊田市史』関係箇所:4巻93ページ

→ 伝染病予防規則避病院