(えんめんけん)
【考古】
陶製の硯で、頂部に直径10~20cmの円盤形をした擦り面があり、台状の器形をしている。奈良・平安時代に須恵器窯で生産され、主に官衙や寺院、豪族居宅で使用された。梅坪遺跡では10点以上、高橋遺跡からは推定直径約25cmの大型品(写真)も出土している。文字を記すための道具としてだけでなく、その大きさを誇示する側面もあったと考えられている。なお、同時代には「風」の字形をした風字硯と呼ばれる陶製硯もある。
『新修豊田市史』関係箇所:2巻108ページ、20巻52・338ページ