(オオクチバス(ブラックバス))
【自然】
バス科、オオクチバス属。特定外来種。原産は北アメリカで和名の通り、口が大きく上顎よりも下顎の方が前面に出ている(受け口)。吻端から尾鰭に達する黒褐色の縦帯があるが、大きくなると不明瞭になる。大正14(1925)年に箱根の実業家の赤星鉄馬が輸入したのが最初である。自宅の池で飼育していた個体が逃げ出して芦の湖で繁殖し、その後全国各地に広がり、現在では市内の大小の河川や溜池の隅々まで定着している。市内の場合は明治用水、枝下用水が網の目のように広がったり、釣りファンの密放流があったりするので現在では分布範囲、個体数ともに増加傾向にある。食性は肉食性であり、大きい口で小魚などを片っ端から追いかけて食べるので成長も早い。1年で約15cmにもなる。猛魚ともいわれ、在来種には大きく影響する。生殖時期は5~7月で、雄が水草などがある場所に直径50~100cmのすり鉢状の穴を掘り、水草等の切れ端を敷き、雌を誘って夕方産卵させる。雄が卵や仔魚を保護するので増殖も早い。市内の平野部全域に広がっている。好奇心が旺盛なので、これを利用してルアー釣りが盛んで、ブームになっている。休日など釣りファンが後を絶たない溜池等が多い。釣り上げるのが楽しみで、釣った個体をその場に再放流することが多いので個体数は減らない。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻518ページ