大窪遺跡           

 

(おおくぼいせき)

【考古】

高橋地区の志賀町大窪に所在する岩陰遺跡で、弥生時代前期の遠賀川式土器片が出土したことで知られる。標高約90mの丘陵中腹にある。昭和40(1965)年に市教育委員会が行った発掘調査で、石囲い炉や縄文時代早期の土器・石鏃、弥生時代前期の遠賀川式土器片と条痕文土器、奈良時代の須恵器・製塩土器、中世の山茶碗などが少量出土していて、断続的に岩陰を利用していた様子がうかがわれる。しかし、遠賀川式土器は破片が少量出土したのみで、遺跡も沖積低地から大きく離れているため、松平地区の天下峯遺跡や旭地区の久保田遺跡などとともに、矢作川水系の初期弥生文化の在り方について問題を投げかけている。遺跡は発掘調査直後の昭和40年12月に市史跡に指定された。

『新修豊田市史』関係箇所:1巻146・150ページ、19巻224ページ

→ 岩陰遺跡製塩土器