大高銀行   

 

(おおだかぎんこう)

【近代】

明治30(1897)年から昭和4(1929)年まで存在した銀行。うち大正2(1913)年頃以降は西加茂郡小原村に本店が置かれた。大高銀行は創立時の本店は知多郡大高村に置かれていたが、同行内に愛知農商銀行の支店が開設されたことを受け、任意解散を決定する。だが、小原村関係者からの要望を受けて、小原村への移転が実現したのであった。頭取には村内で貸金業を営む福井五七十が就任しており、また新株主にも村内貸金業者が複数人含まれていることから、貸金業者が銀行業に転換する目的で移転されたと推測される。移転決議時の資本金は10万円(うち貯蓄部3万円)であった。本店は小原村平畑に所在し、同村大草、旭村小渡に派出所も設置された。担保をとらない信用貸しを行っており、1920年代の不況下ではこの貸し倒れが経営を悪化させたようである。その後昭和4年7月の株主総会で解散を決議し、同年11月に大蔵大臣の認可を得て解散した。

『新修豊田市史』関係箇所:4巻449・567ページ