(おおたちょうないかいあみだにょらいぞう)
【美術・工芸】
木造、31.4cm。太田町の観音堂に円空作の阿弥陀如来立像が祀られている。肉髻相を表し円空仏特有の微笑みを浮かべ、通肩に衲衣を着け、上品中生の印を結んでいる。台座下半部は後補。上品中生の円空作の阿弥陀如来は、三重県三重郡菰野町・明福寺蔵の両面仏(薬師如来と阿弥陀如来)と本像の2体で、単独像としては本像のみで貴重である。赤外線撮影により、背面後頭部に本像の種子である〓(キリーク・阿弥陀如来)の墨書が認められる。最下部に〓(アク・不空成就如来)があり、その上の〓(キリーク・阿弥陀如来)の2種子が読み取れる。それ以外は読み取り難いが、金剛界五仏種子と考えられる。梵字の書かれた時期および様式上の観点と合わせて考えれば、本像の作像時期は延宝4(1676)、5年頃に位置付けられる。市指定文化財。
『新修豊田市史』関係箇所:21巻110ページ
→ 円空仏