(オニヤンマ)
【自然】
林道を歩いていると、大きな羽を広げ悠然と滑空する姿をよくみかける。その胸には黒と黄色のまだら模様が鮮やかなので、模様からもオニヤンマとわかる。その日本最大の大きさから鬼ヤンマと名付けられたのであろう。本種はオニヤンマ科に属し、ほかのヤンマ類とは分類上異なる。学名の種小名はsieboldii となっておりシーボルトに献名されている。幼虫の生息場所は、小規模で緩やかに水が流れたり、入れ替わったりする小水域である。卵期間は約1か月、孵化したヤゴ(幼虫)は、水底の砂泥に浅く潜り、水性小動物を捕食し、成長するとオタマジャクシや小魚、他種のヤゴなども捕食する。本種が成虫になるまでの期間は通常5年、その間に10回ほど脱皮して約5cmの終齢幼虫となり、あの大きな成虫が羽化する。