オホーツク海高気圧

 

(オホーツクかいこうきあつ)

【自然】

オホーツク海高気圧は、オホーツク海に中心をもつ冷涼な高気圧で、偏西風の蛇行に伴って閉塞されているために長期間留まる傾向があり、高緯度側からの寒気を北海道から東北地方の太平洋側に「ヤマセ」を吹かせることで知られている。最近では平成5(1993)年の冷夏が記憶に新しいが、気候シフト前の1950年代は夏型気圧配置型の多くがオホーツク海高気圧型で、東北・北海道では冷害による離農・離散が相次いだ。これに対し、1970年代後半の気候シフト後からはオホーツク海高気圧型の出現頻度が低くなり、10%にも満たない状況が続いている。これとは逆に、北海道東部では亜熱帯ジェット気流の南北流によって蝦夷梅雨がみられるなど、地球温暖化に伴う気候帯の変動傾向がみられるようになった。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻123・130・140ページ