恩真寺二十五条袈裟

 

(おんしんじにじゅうごじょうけさ)

【美術・工芸】

丈123.5cm、幅191.5cm。苧麻製。関ヶ原の合戦に従軍し、出家後は宗教家・思想家として活躍した恩真寺開山・鈴木正三(1579~1655)所用の袈裟である。幅方向に細長い25枚の生地を縫いつなぐことから、二十五条袈裟と呼ばれる。中央の一番上を起点に、上から下へ、中央から左右へと切断した生地を少しずつ重ね、それらを縫い合わせるにあたっては、重ね目の奥側を縫って手前側の一部を縫わずに開けたままにしている。さらに、カイコガの命を奪って得られる絹ではなく、日常的な素材である苧麻を生地に用いる。これらの諸点が仏教僧の生活規範である律に則すことから、このような袈裟を「律衣」と総称する。主に律宗で着用されたが、開祖である道元が袈裟に深い関心を寄せていた曹洞宗においてもしばしば用いられた。


『新修豊田市史』関係箇所:21巻448ページ

→ 袈裟