(おんたいていきあつ)
【自然】
日本列島を通過する低気圧は、亜熱帯と温帯の境を流れる亜熱帯ジェット気流の蛇行に伴う南岸低気圧と温帯と亜寒帯との収束帯である寒帯前線ジェット気流による日本海低気圧に分けられる。熱帯低気圧との違いは、低気圧の前面に温暖前線、後面に寒冷前線を伴っていることで、温暖前線の接近は鱗雲、および羊雲からも確認できる。日本海低気圧は、アリューシャン低気圧、およびアイスランド低気圧と並ぶ北半球の偏西風3波波動地域の一つであり、発現位置がテレコネクションで連動している。したがって、寒帯前線ジェット気流の南下が寒気の指標になっているが、近年の地球温暖化による子午面循環の変動は、波動地域の緯度的・経度的位置が不安定となり、北アメリカ、およびヨーロッパと東アジアの3波波動地域が安定していないことも多く、近年は東アジアと北アメリカとの連動に比較して、ヨーロッパと連動する確率が低くなっている傾向がみられる。最近では、亜熱帯ジェット気流の北上に伴い、南岸低気圧と日本海低気圧が北日本で合体し、反時計回りの渦によって亜熱帯大気と亜寒帯大気とが接触し、中心気圧が960hPa以下にまで低気圧が発達するようになった。したがって、台風並みの暴風雨による突風や漁船の遭難も相次ぐようになっている。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻100ページ