(おんたけしんこう)
【民俗】〈信仰〉
岐阜・長野両県にまたがる木曽御嶽山(3067m)を霊山として崇拝する信仰。市域には多くの御嶽講が組織されていた。山間部では、日面(小原地区)の蚕霊神社御嶽登山講と、足助の池田山の御嶽教会(「池田山の御嶽さん」)の活動が活発であった。夏山・寒山の木曽御嶽山登拝のほか、御嶽講特有の神降ろしの巫儀である御座も行われた。高い法力を有する御嶽行者は八卦で運勢をみたり、失せ物探しをしたりした。また、御嶽行者の霊を祀った霊神碑など、石造物が置かれた霊場も各地にあった。足助地区の白鳥山には60基を超える御嶽講関連の石造物がある。平野部では心願講系の御嶽講が多く存在し、古瀬間御嶽山(高橋地区)のほか、扶桑、野見(高橋地区)、千足、挙母(挙母地区)、桝塚(上郷地区)の御嶽講も心願講系であった。火生三昧法に長けている御嶽行者はムラで行われる火渡り(火祭り)に出仕し、節分の星祭りを行い、御札を出したりした。〈信仰〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻808ページ、16巻757ページ