外食    

 

(がいしょく)

【民俗】〈食生活〉

市域の農村部の聞き書きでは、「初めて家族で外食をしたのは昭和40(1965)年頃」という話が多く、昭和30年代では外食の機会はほとんどなかった。結婚式や年忌法要などの際も近所や親戚の女性たちが手伝いあって料理を作っていたが、その後、結婚式には出入りの行商の魚屋に依頼し、泊まりこみで家で一切の料理を作ってもらうようにもなった。昭和40年代になると、結婚式は仕出屋や料理旅館、結婚式場を利用することが増えた。年忌法要なども昭和50年代までは家で行われていたが、しだいに料理屋で会食することが増えた。一方、会社勤めをしていた人にはそれなりに機会があったが、戦前にトヨタ自動車に勤めていた男性によれば、昭和16年頃、うどんを食べに行くのは年に1、2度の贅沢だったといい、個人差が大きい。市域にファミリーレストランやファストフード店が出店し、外食の機会が増えたのは昭和40年代後半から50年代にかけてである。〈食生活〉

『新修豊田市史』関係箇所:17巻512ページ