鏡餅 

 

(かがみもち)

【民俗】〈年中行事〉

鏡餅は正月を迎える時に供える餅で、オカガミ、オカザリなどともいう。丸餅を2つ重ねてミカンをのせて飾るのが一般的で、ウラジロを敷いたり干し柿を添えたりもした。旧正月や農具に供えるもののみ四角くする場合もあった。神棚、仏壇、井戸、クド、便所、玄関、床の間、蔵のほか、農機具、恵比須・大黒にも供えたり、山の神などの石碑や氏神へ持って行って供えたりすることもあった。山間部では1年の月数を意味する12重ねを基本として供えたところもあり、稲橋(稲武地区)では正月神を迎える棚を座敷の天井から吊し、恵方に向けて左右にクラモチ(蔵餅)という二つ重ねの丸餅、中央にホシという小さな餅をのせた丸餅を12個供えた。旭八幡(旭地区)では12月31日、盆の中央に丸餅を一重ね、その周りに12個の丸餅の上に小さな丸餅を載せたものを歳神様に供えた。元旦にこれを両手で持ち上げてお参りしたので、イナダキモチといった。〈年中行事〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻680ページ、16巻621ページ