角錐状石器

 

(かくすいじょうせっき)

【考古】

厚みのある剝片に両側縁から急角度の二次加工を施して、一端あるいは両端を尖頭状にした石器。素材剝片の主剥離面は未加工のままであることが多い。断面は三角形あるいは台形を呈する。本州・四国・九州の後期旧石器時代後半に起こった姶良Tn火山灰の降灰以後の地層から出土する。近畿地方では角錐状石器を主体とする石器群が確認されているが、東海地方以東では国府型ナイフ形石器・切出し形ナイフ形石器を主体とする石器群に含まれていることが多い。チャート製のものが挙母地区の薮下遺跡、下呂石製のものが同地区の大明神B遺跡(写真:長さ3.8cm)で採集されている。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻43ページ