籠川面 

 

(かごがわめん)

【自然】

豊田盆地の籠川下流部から矢作川との合流部付近に広がる段丘面。籠川面は、矢作川にみられる段丘面のうち最も低い段丘面で、沖積面(現在の河床面)よりわずかに高く、その高度差(比高)は約1mである。籠川に沿っては左岸、矢作川に沿っては右岸に広がる。豊田盆地最南部の鵜の首付近にも分布し、ここでは矢作川右岸にみられる。矢作川は鵜の首の狭窄部を抜けて、下流の沖積平野に流れ込んでいる。籠川面はこの狭窄部より上流の豊田盆地にみられるので、鵜の首の狭窄部で一時的に堰き止められていた矢作川が、堰止めを破って下流に流れ出た時に、当時の河床面が離水して段丘面となった可能性が高い。籠川面をつくる地層は籠川層と呼ばれ、ボーリングの結果からは、厚さ10m弱で、主に砂礫層からなるが、場所によっては砂層もはさまれている。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻52ページ

→ 河岸段丘挙母面豊田盆地矢作川の治水