(カゴノキ)
【自然】
国内では関東・福井以西の本州、琉球に分布するクスノキ科の暖地性樹種である。市内では猿投山(標高629.0m)、六所山(同611m)の中腹、標高500~600mの所に生育しており、この地が温暖なことを示している。ここには霧がかかることが多く、気温の逆転現象が生じていると推察される。その他、挙母神社、磐照神社、津島神社、水源神社等神社境内に生育しているが、これは樹皮が剥がれ落ちて再生する特徴を縁起としたと考えられる。時には、剥がれ落ちた樹皮をお守りとして持ち帰る人の姿をみかけることがある。名前の由来は、樹皮剥落跡が、子鹿の斑模様に似ることから名付けられたといわれ、「鹿子の木」と表記されている。樹林中では、剥離跡の白さが目立つので遠目にも識別しやすい。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻367ページ