樫尾古墳群

 

(かしおこふんぐん)

【考古】

豊田盆地の周縁部にあたる高橋地区野見山町の丘陵が樫尾川に向かって下る斜面に築かれた3基からなる終末期古墳群。昭和42(1967)年に市教育委員会により発掘調査が行われた。いずれも7世紀末~8世紀初頭の築造で、墳丘は直径10m前後の小型の円墳、埋葬施設は小型の擬似両袖形の横穴式石室であった。3号墳からは、鉄釘や須恵器が出土している。本古墳群にみられる墳丘の斜面立地や細長い石室平面形、シンプルな副葬品や鉄釘の出土、追葬が行われていないなどの特徴は、終末期古墳の典型例として重要な要素となっている。1号墳は、令和6(2024)年開館予定の豊田市博物館に再び移築されることになっている。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻471ページ、19巻710ページ