(かそちいき)
【現代】
昭和45(1970)年4月に10年間の時限立法として制定された「過疎地域対策緊急措置法」(第1次過疎法)によって指定された地域。市町村単位で指定を受ける。過疎とは、農山村地域での人口減少が顕著になったことにより基幹産業であった農林業が衰退し経済的基盤が失われ、これに伴って地域コミュニティの衰退や崩壊が発生する現象をいう。昭和30~45年頃に全国の農山漁村地域で人口が減少したことにより社会問題化した。この問題に対応するために前述の過疎法が制定され、同法で定める「人口要件」と「財政力要件」に該当する市町村が過疎地域の指定を受けた。過疎地域に指定されると、過疎対策として財政措置、行政措置、税制措置などの支援が講じられる。時限立法の過疎法は、昭和55年(第2次過疎法)、平成2年(第3次過疎法)、平成12(2000)年(第4次過疎法)、令和3(2021)年(現行法)に法の目的と要件の基準を改正して継続されている。豊田市合併町村部においては、第1次過疎法で小原、足助、下山、旭、稲武の5町村部が過疎地域に指定された。第2次過疎法以降は、要件の変更に伴って過疎地域の見直しが行われ、非過疎地域となった区域もみられた。第4次過疎法期間中に市町村合併が行われた豊田市は、「過疎地域とみなされる区域を有する市町村」となり、小原、足助、旭、稲武が過疎地域の指定を受けた。令和3年度から令和12年度までを期間とする現行法では、これらの区域は非過疎地域となったが、特定市町村(区域)として激変緩和のために6年間の経過措置が適用されることになった。
『新修豊田市史』関係箇所:5巻217ページ、14巻568ページ